2019年度TLP夏季フランス研修(2019年8月)@アンジェ(2/2)

研修後半のレポートをお届けいたします。

研修 13日目(2019/08/17)

Bonjour ! 今日から3日間ブログを担当します、文科一類2年の水元舜と申します。2週目も終わりに近づき、フランスでの体調管理と授業のやりくりがようやく出来てきた今日この頃です。よろしくお願いします!

さて、研修13日目にあたる今日は、土曜日ということで嬉しい楽しいexcursionの日!ロワール川流域に多く点在する城郭群Les châteaux de la Loireのうちの2つ、シュノンソー城 (Le Château de Chenonceau) とシャンボール城 (Le Château de Chambord) に行ってきました。

せっかくの楽しい遠足の日ではありますが、今日は朝からあいにくの雨。朝早く出発するバスに乗り遅れまいと、目覚まし時計をかけていたものの、なんと二度寝をしてしまうという大失敗…。雨も強く、自転車で大学まで行くつもりが間に合いそうになく、途方に暮れていたところ、ちょうど顔を出したホストファザーが車で送ると行ってくださいました。自分の情けなさとホストの優しさを痛感しつつ、なんとか集合時間に間に合うことができました。良かった…。

さて、気を取り直して、まずはシュノンソー城へ。シュノンソー城まではAngersから2時間弱。バスに揺られてのどかな田園風景の中を進みます。

このシュノンソー城は、歴史上数々の高貴な女性たちによって受け継がれ守られてきた城だそうで、そのことから別の名を« Le château des femmes »、日本語で「女たちの城」というそうです。その名の通り、お城や前庭からは、どこか気品溢れる優雅な雰囲気が漂っています。

▲床の隅の方に残る彩色。当時はタイルの絵付けを一枚一枚行っていたそう

途中、たまたま近くにいたプログラムのディレクターであるMonsieur Morinのお話を聞きつつ回るという贅沢な時間も。かつての世界大戦時の逸話などをじっくり聞かせていただきました。

 

▲川に映るお城を背景に記念撮影

午後はシャンボール城を散策。雨が本降りに変わり、傘を握りしめながらのスタートになりましたが、シュノンソー城とはまた一味違った勇壮な姿には思わず見とれてしまいました。

▲『美女と野獣』の城のモデルにもなっているそう

▲城内の優雅な寝室

連日の疲れもあり、散策中も何度か腰を下ろして休憩する場面が多かった研修組ですが、皆excursionを楽しんだようでした。僕自身も、移動中のバス、特に帰りの道中は激しい眠気に襲われ、やはり知らないうちに疲れは出てきているのだなあ、と実感した1日でした。フランス語での会話、授業スケジュール、生活リズムと、色々なものに意識を注ぎながら過ごす毎日はそれなりに大変ではありますが、この週末を利用して、リフレッシュして頑張っていこうと思います。À demain !

 

研修 14日目(2019/08/18)

Salut ! ブログ担当2日目の水元です。

今日は日曜日。昨日のexcursionや、これまでの何かと忙しい生活のせいもあり、朝はぐっすり寝て朝寝坊気味の起床になりました。

今日は比較的ゆっくりと過ごしていたので、ステイ先での生活について少しここに書きたいと思います。

僕のステイ先での朝食には、自家製のコンフィチュール(フランス語でジャムのこと)が必ず置いてあります。コンフィチュールに使うアプリコットも、庭で育ったものを収穫しているのだそうです。濃い橙色の、透き通ったコンフィチュールには、時たまゴロッと果肉が入っていて、それをパンに乗せて頬張るとなんとも幸せな味がします。フランスの肌寒い朝には、温かい紅茶と甘いコンフィチュールの組み合わせが体に沁みる美味しさです。

やはりフランスでは「食」が文化の重要な位置を占めることもあり、フランス人の食に対するこだわりは強いものがあるように感じます。夕食の席では毎回のように出す料理について説明をしてくれ、アントレ(前菜のような軽い料理)からチーズ、デザートに至るまで見慣れないものがよく出てくるので、食だけでも学びの多い毎日です。僕とアメリカ人のルームメイト、ホスト夫婦の4人で食卓を共に囲むと、各々の母国の食に関する話題で盛り上がることもしばしば。

今朝もコンフィチュールとともに朝食を頂き、その後昼ごろまで授業の課題を少し進めてから、ホストファミリーにことわって少し街に出てみました。ちょうど他の研修メンバーも集まり、駅周辺などを特にあてもなく歩いたりしていたのですが、やはりまだバカンスの期間だからか、人が少ない印象を受けました。

▲昼頃の駅前。閑散とした雰囲気

街を歩いていて、言語上達のためにも、フランスの日常に浸る時間を作ることは大事だな、と感じました。授業と課題に追われがちな毎日ですが、もっと街にも繰り出してカジュアルにフランス語を使う機会を増やしていこうと思います。それでは、À demain !

 

研修 15日目(2019/08/19)

Bonjour ! またまた水元です。ブログ担当も今日で最後になりますが、よろしくお願いします。

フランス研修もいよいよ最終週、3週目が今日から始まります。とは言っても、課題に追われつつこの月曜日を迎えたためか、実感はまだあまり湧きません…。

今日の最初の授業はLangue(読み書き重点)の授業。先週から取り組んでいるライティング強化のためのボキャブラリー習得や、議論展開の際に有用な、譲歩・付け足し・根拠導入などに関わるフレーズを中心に触れていきます。その後のスピーキングにあたるExpression oraleの授業もLangueと連動しているので、口頭での議論展開を実践的に行いました。若く陽気なモニターが少人数クラスを仕切るExpression oraleとは違い、Langueの授業では経験豊富な教授から指南を受けつつ、渡された資料をもとに授業内でエッセイを仕上げるなど、まさにインテンシブな内容になっていて、一コマ終わる度にかなりエネルギーを消費しているのを感じます。とはいうものの、丁寧な指導と添削をしてくださるおかげで、着実に力はついているように思う毎日です。

さて、今日は特別授業として、ノルマンディー地方についてのカルチャークラスがありました!担当の教授は変わらないながら、いつもの授業とは違いリラックスした雰囲気で、北ヨーロッパとの繋がりが強くフランスでも特にユニークなノルマンディーの歴史、文化、食などを学びました。中休憩では地方特産のカマンベールチーズを教授が振舞ってくれるなど、美味しく、そして為になる時間でした。

3週目に入り、フランスでの生活にすっかり慣れてきた研修組の間では、「あと1週間しかない」と残念がる声が多く聞かれます。授業や課題など忙しい部分はありつつも、皆それぞれにフランス語に浸る生活を楽しんで送っているように見えます。ステイ先や学校での様々な出会いに溢れたこのフランスでの生活が、もう終わりに近づこうとしていると思うと切ないですが、あと1週間足らずの残りの日程も、大切に過ごしていきたいです。それでは、À bientôt !

▲穏やかなアンジェでの生活も、あと1週間足らず

 

 

研修 16日目(2019/08/20)

おはようございます!今日は理科二類2年の小澤春佳が担当させていただきます。

私は学校までバスで登校します。Sophieというアメリカ人の友達が(間に合えば)途中で乗車するので毎日楽しく登校しています。

ご存知の通り、Langue, Expression Orale, Culture et patrimoineと3種類の授業がありますが、今日のExpression Oraleの授業はとても楽しかったです。与えられたカードゲームのルール説明書を自分たちで解読して遊ぶ、というシンプルな課題でした。ゲームの本質を理解したらとりあえず試しにやってみる。やっていく中で自分たちの理解の不備に気づいて、また説明書を読み直す。話し合う。やってみる。あっという間に授業の終了時刻になりました。

また、今日はCulture et patrimoineの授業があり、ノルマンディーについて学びました。CamembertとLivarotというチーズを試食し、本物のカマンベールチーズの見分け方を学びました。

はい、では問題です。以下のどれが本物のカマンベールチーズでしょうか!

1.«Camembert en Normandie»
2.«Camembert fabriqué à Normandie»
3.«Camembert de Normandie»

正解は、3番です。ポイントは«de»だそうです。

放課後は、お好みソースを買うべく«Comptoir d’Asie»というアジアの食材店に行きました。ホストファミリーのおばあちゃんにお好み焼きを作ろうと思って素は日本から持ってきたものの、ソースを忘れてしまったのです。ソースがなければ始まらないので、見つかって本当によかったです。明日上手く作れるかなぁ。

私たちの溜まり場と化している街の中心地で他のメンバーと合流し、«La Fève d’Or»という紅茶屋さんに行きました。コーヒーはその場で挽いてもらい、紅茶の茶葉はその場に袋に入れてもらいます。フランス人はこんなにも新鮮なコーヒーや紅茶を飲んでいるのかと感動しました。

«L’atelier de la Crêpe»で念願のクレープ。お昼時と夜19時以降しか開いていないクレープ屋さんが多く、昼間には授業があり夜は家で夕飯を食べなければならない私たちにとっては、クレープ屋さんでクレープを食べるということがなかなかできなかったのです。

 

ホストファミリーのおばあちゃんは本当に料理上手で毎日幸せです。今日のメインはトマトの肉詰めでした。本当に美味しくてついつい食べ過ぎてしまいます。そしてチーズが大好きなおばあちゃんは様々な種類のチーズを食べさせてくれます。今日は、Reblochon(左), Chèvre(右), Comté(後ろ)の3種類でした。私はもちもち食感のReblochon推しです。デザートのフォンダンショコラを食べたときは頬がとろけるかと思いました。(さっきクレープも食べてなかったっけ?)食後には、近くの公園までおばあちゃんとお散歩しました。辿りつくと綺麗な池があって、色んな話をしながら素敵な時間を過ごしました。

 

今日はなんと宿題がないのでもう寝ますね。おやすみなさい~

 

研修 17日目(2019/08/21)

おはようございます、今日も小澤がお送りさせていただきます!

今日のoralの授業では、教育について議論しました。9人クラスでしたが、様々な国から来た生徒がいました。中国人、韓国人、アメリカ人、ペルー人。それぞれの国の教育制度の実状や問題点について話しました。たくさんの発見がありましたが、中国でも、日本のように大学入学までは死に物狂いで勉強して入ってからは遊び呆ける生徒は少なくない、ということには特に驚きました。

さて、お昼ごはんは学食で食べるのですが、なぜか水曜日だけ豪華になります。デザートはtarte tatinでした。モニターの一人であるVincentは、最後の授業に皆にタタンを作ってきてくれるそうです。私も食べたかったーーーー

放課後は、おばあちゃんとお好み焼きを作りました。具材はおばあちゃんが買ってきてくれましたが、青ネギは見つからなかったそうです。また、薄切りの豚バラ肉は普通のスーパーでは売っておらず、肉屋さんに行ってようやく豚バラ肉を発見しできる限り薄く切ってもらったそうです。それでも、日本の薄切り肉の4倍の厚みはありましたが…。日本では焼き肉でもしゃぶしゃぶでもすき焼きでも様々な料理で薄切り肉を使用しますが、欧米では熱い肉のまま食べることが多いようです。父にこの話をすると、以前イギリスに住んでいた時も薄切り肉なくて困ったと言っていました。海外で暮らすときにぶち当たる壁その①:日本食を作るための食材を集めるのが大変って感じですね。でも国ごとにお店に並ぶ食材が異なるのって面白いですよね!という訳で、粉、キャベツ、肉という至ってシンプルなレシピで作ったお好み焼きでしたが、おばあちゃんは喜んで食べてくれました。息子さんが日本食が大好きらしく、彼に作ってあげるそうです。

 

 

研修 18日目(2019/08/22)

おはようございます!また小澤かよって感じですが今日もどうかお付き合いください。最後なので!

早朝はパン屋さんに寄って、クロワッサンとパニーニのようなパンを買いました。パニーニは正直微妙でしたが、クロワッサンは最高に美味しかったです。やはり、フランスではどこに行ってもクロワッサンは美味しいんですねえ。

 

今日は午前で授業終了。午後は、お料理教室で海老のリゾットとマカロンを作りました。材料はすべて分量通り用意していただいていましたが、工程はシンプルだったのでまた作ってみようと思います。初めてフランベに挑戦しましたが、怖くて動けなかったので結局先生がやってくれました。

 

帰宅しておばあちゃんと夕食を食べた後は、Le Lac du Maineの近くの公園でモニターたちが主催のsoirée(パーティ)があったので行ってきました。いい感じのバンドがいい感じの音楽を奏でていていい感じの雰囲気でした。コントラバスがかっこいい!!!さて、こういうパーティでは、普段は話す機会がない違うクラスの人とも交流できます。たわいもない話をしていたはずが、気づけばお互いの国の現状についての真剣な議論になっていたりもします。だんだん疲れが蓄積してきたのか、私は睡魔に勝てず早めに切り上げて帰ってしまいました。でも明日が授業最終日かと思うと寂しいです。クラスにも先生にもモニターにもホストファミリーにも恵まれて、3週間本当に楽しかったなぁとしみじみ思います。

 

研修 19-20日目(2019/08/23-24)

Bonjour! 理科三類2年生の三好真衣佳です。23日から最終日までのブログを担当します。

さて、23日は授業最終日です。とはいえ私のクラスは、22日にプレゼンとスピーチがあったので、既に達成感がありますが……。

まずはExpression oraleの授業です。嬉しいことに、最後だからと先生がクロワッサンを差し入れてくださいました! 授業では簡単なゲームをしました。親がお手本の絵をフランス語で説明し、それを聞いて正しく描けた人が点数をもらえる、というものです。制限時間も短いため、しばしばユニークな絵が完成して盛り上がりました。

 

こちらは「図書館にエビがいる」という設定の絵なのですが……、エビは難しいですよね。ちなみに左は私、右は柴田マランツくんの描いたものです。

続いて、Langueの授業はいつも難しかったのですが、今回は殊更でした。フランスの価値観について書かれた文章を読んだのですが、抽象的な表現も多く、なかなか内容が理解できませんでした。研修を通してフランス語力が上がったと感じていましたが、まだまだ勉強しなければならないな、と痛感させられました。
他の生徒たちはもう一週間通うので、カリキュラムもまだ続くのですが、私たちはお別れです。高い目標を持つ人たちに囲まれて、大いに刺激を受けたクラスでした。こちらの授業でも、最後には先生からりんごジュースをいただいて乾杯しました。宿題の量で有名な先生でしたが、そのぶん多くのことを学ぶことができ、力がついたと感じます。今後の勉強用に、といただいたフランス語の本や映画のリストが最後の宿題でした。当面退屈することはなさそうです。

 

放課後はお土産の買い残しのないように街をまわりました。アンジェ土産といえば青いチョコレート。東京は暑いから溶けるのでは? と言いつつ買ってしまいました。もっともアンジェもだんだんと日差しが強くなってきて、この日は30度近い気温でした。東京も少し涼しくなったのでほとんど変わらないですが、朝晩が冷えることとサマータイムとのおかげで、やはりアンジェの方が快適に過ごせました。

夜はホームステイ先での夕食、こちらもこれで最後です。毎日美味しい食事をいただけて幸せでした。多種多様なチーズを食べられなくなるのも残念です。食卓ではいつもそれぞれの国の言葉や食事の話をしていました。アンジェでも寿司は有名で、ホストマザーが飼っているお魚にはsushiという名前がついていました!

そして24日、遂にアンジェ最終日です。お昼どきには出発ですが、私には一つ心残りがあったので、早起きして出掛けました。

朝市です! 土曜日が最も大きな市らしいのですが、先週も先々週も行けておらず……。遂に来ることができました。果物やパンはもちろん、フリーマーケットのような雑貨、さらにはベッド・マットレスまで売っていました。こういった活気に接すると、海外に来たことを実感します。とはいえ荷造りまで済ませてしまったので、買い物はせず、あちこち覗きながら雰囲気を堪能しました。
その後はホストファミリーに車で送っていただき、いよいよTGVでアンジェを離れることになります。駅では写真を撮るなど、みなそれぞれに別れを惜しんでいました。CIDEFのモニターの先生も、お仕事の合間に見送りに来てくださいました!

パリの空港で長い長い待ち時間を経て、飛行機に乗り込みます。これで研修も終わりです。来る前には三週間は長いだろうと思っていましたが、終わってみれば一瞬でした。

 

TLPの先生方、CIDEFのみなさん、ホストファミリーの方のおかげで、トラブルも無く無事研修を終えることができました。毎日規則的に学校に通う、という経験すら高校ぶりで、(宿題も多く、)疲れを感じることもありましたが、フランス語の上達を感じることができました! 私は秋以降フランス語の授業がなくなってしまうのですが、自分で学習を続けようというモチベーションにもなりました。貴重な機会をありがとうございました。

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以上、3週間の夏季フランス研修報告をお届けしました。充実した研修の様子が伝わってきましたね。

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