2022年度TLPフランス語夏季研修(アンジェ)報告(上)

TLPフランス語の海外滞在型研修は、新型コロナウイルス感染対策のために一昨年はオンライン研修、昨年は対面型国内研修で開催されました。今年の夏、ようやく海外滞在型で再び研修を行うことができるようになりました。GLP、教養学部、グローバルコミュニケーション研究センター、国際研修委員会、教養学部等事務部、そのほか数えきれないほどの多くの支えがあって、誰もが待ち望んでいた企画を行うことができました。TLPフランス語の運営にたずさわる教員一同うれしく思い、感謝の気持ちでいっぱいです。研修を満喫した学生たちのブログをぜひご覧ください。

研修1-2日目(2022/8/27-28)

こんにちは。TLPフランス語2年の河野樹です。

1日目・2日目のブログを担当します。

……とはいえ、いきなり初日の説明を始めてしまうのも少し味気ないので、まずは研修の概略を書いておきたいと思います。

今回の研修は、8月27日から9月11日にかけての約2週間、アンジェ(フランス西部の街)の語学学校に通う形で行われました。もっとも、1・2・3日目と15・16日目は移動に費やされることになるわけですが……

・1日目

それでは早速、1日目のできごとを振り返ることにしましょう。

そもそもこの日は、成田空港19:30集合を申し渡されていたのですが、私は(初めての海外渡航ということもあって)テンションが上がってしまい、特に用事もないのに16時頃に到着してしまいました。

ここで問題です。集合時間より早く空港に着いてしまった場合、もっとも優れた時間の使い方は何でしょうか?

そう、散歩ですね。

というわけで、成田空港での散歩中に撮影した写真をいくつかご紹介します。

ガンダムの首が落ちていました。
マリオです。
展望デッキです。

というわけで、退屈することなく集合時間を迎え、航空会社のカウンターでチェックイン。皆まだ元気いっぱいです。

このあと乗り込んだ飛行機は、カタール航空という航空会社が運航していたのですが、座席の端末でコーランが読めたり、機内での礼拝に関する注意事項が表示されたり、定期的にメッカの方向を教えてくれたりするなど、イスラム教圏ならではの気遣いがあって楽しかったです。

というわけで、1日目はここで終わりです。また明日!

・2日目

朝起きたら、カタールでした。

厳密に言えば、4時なのでまだ夜が明けていなかったのですが、それでも日付は変わっているわけですし、朝と言えば朝なので朝ということにしておきましょう。

私たちはハマド国際空港(カタール)で10時間、次のフライトを待つことになりました。空港のインターナショナル・ゾーンから出られないので退屈するかと思いましたが、さまざまなオブジェや、大音量のクラクションで旅行客を蹴散らしながら(比喩です)突っ走る送迎用カート、アラビア語訛りの英語アナウンス(なにも聞き取れない)など、想像以上に面白いものが多かったです。

カタールの通貨。空港内はクレジットカードが使えるので、現金は基本的に不要ですが……
空港内に新交通システムが!

ところで、航空機搭乗前のセキュリティ・チェックで、ペットボトルが没収されてしまうことをご存じですか? 実際、成田でインターナショナル・ゾーンに入るときに、せっかく買ったお茶やジュースを没収されてしまい、涙をのんだ人も多かったようです。

そこで、ハマド国際空港で飛行機に乗るとき、事前にペットボトルを(無理やりにでも)飲み干してしまおうとする人が見受けられました。その様子を写真でご紹介します。

このように、みな苦労してペットボトルの処理を試みたわけですが、結局セキュリティ・チェックはありませんでした。理由は分かりません。私たちは、意味もなくお腹をたぷたぷさせながら飛行機に搭乗する羽目になりました。

この後、さらに8時間ほど飛行機に乗ると、フランスのシャルル・ド・ゴール空港に到着します。この時点で、現地時間21時。さらに、入国審査は長蛇の列…… 待ち時間の長さにしびれを切らして文句を言ったおじさんが連行され、まわりの人びとが大声で抗議する、といった「フランスらしい」光景もみられました。(そのおじさんは、別室で説教されたあと解放されたらしいです。)

この日は、空港近くのホテルで宿泊。翌日のアンジェ行きに備えます。

それでは、おやすみなさい!

追記:

1日目・2日目の内容とずれてしまうのですが、フランスでの支払いに関して少しトラブルがあったので、その概要と原因を書かせていただきます。

私はフランス滞在中、ゆうちょデビット(VISAブランド)で決済をしていました。実店舗では問題なく使えたのですが、Irigo (アンジェの公共交通網)アプリやSNCF (フランス国鉄)アプリでの支払いが、複数回にわたって拒否されてしまいました。

ゆうちょ銀行(カード会社)に電話で問い合わせても原因が分からなかったのですが(そもそも、決済を拒否した記録が残っていないと言われました)、日本帰国後に試してみたところ、正常に支払うことができました。どうやら、日本国外からのインターネット決済が拒否される仕様になっていたようです。要は、日本のサーバを経由してアクセスすればいいわけですね! 頑張りましょう!

 

研修3日目(2022/8/29)

皆さんこんにちは。ブログ3日目を担当する文科1類2年の朝比奈です。

今日は昨日到着したシャルルドゴール空港のホテルから TGV で Angers まで行き、ホストファミリーと会ってそのまま家で過ごしたり、市内を少し観光したりして明日からの授業に備えることになります。

朝は10時にホテルのフロント集合だったので、7時半くらいに起きて、1階のレストランで何人かの友達と朝食を食べました。チーズやバゲットがおいてあり、フランスに来たなあという実感が徐々にわいてきました。さて、そのあとホテルのフロントで水を買おうと思い受付にてフランス語で「Je voudrais acheter un bouteille d’eau.」と話しかけたのですが、受付の人に「Do you want one like this?」と英語で返されてしまいました。いや、フランス語で会話したいよーとも思いましたが、まあ外国人訛りのフランス語で聞かれたら英語の方がいいかなと親切心で応答してくれたのでしょう。日本語を使っている外国人がいたら、「頑張って勉強してきたのかも」と感じ取って、英語ではなく簡単な日本語で受け答えしてあげた方がいいかもしれませんね。そんなわけで TGV の駅に行き、電車に乗り込みました。

かっこいいTGV

Julien(引率の先生)が教えてくれた席の番号を探し、いろいろあったのち、なんとか席に座れました。Angers までは約3時間くらいなので少し眠ったり、外の景色を眺めて過ごしたりしました。

のどかなフランスの風景

Angers 駅に着いて改札を出るとホストマザーたちが私たちの名前の書いた札やプラカードを持って待っていました。僕の名前をすぐに見つけることができて無事合流し、さっそく車でおうちまで連れて行ってくれました。時差ぼけ&旅の疲れがどっと押し寄せてきたのでとりあえず、夜ご飯までだらだらして過ごしました。

ホストファミリー宅からの風景

今日の夜ご飯はサラダ、バゲット、ピザ、チーズ、豆腐、ヨーグルトと盛りだくさんでした。フランスの夜ご飯は量が多いみたいなので、太らないか心配です。

学校には歩いて通うことにします。ホストファミリーは仲のよさそうな老夫婦で、僕の大学での勉強や家族のことなどを話して少しお互いを知ることができました。夫婦には一人娘がいるそうで、Ile de la Réunion(フランスの海外領土の一つ)に住んでいるそうです。TLP でフランスの地理を少し学んだので、「あ、進〇ゼミでやったとこだ!」ってなりました。授業はまじめに受けましょう。フランスのニュース番組も一緒に見たのですが、早口すぎてほとんど聞き取れませんでした。いつかわかるようになったらいいなと思います。それでは、明日以降の学校に備えて早めに寝ることにします。

Bonne nuit!

 

研修4日目(2022/8/30)

8/30(火)担当の田名部智也です。CIDEF での初日は午前中に説明会とクラス分けテスト、午後にAngers 市街地のツアーがありました。夏季の講義には世界中から学生が集まっており、日本、中国、韓国、台湾、ベトナム、マレーシア、米国、メキシコ、マダガスカル、オランダ、ベルギーなど多様な国から参加者が来ていました。

説明を受けた後は1時間半程度のクラス分けテストがあったのですが、東大生は皆 CEFR のレベルでいう B2 か B1 のクラスに配属されました。その後カフェテリアで昼食を取り、アンジェ市街を散策しに出掛けました。アンジェ市はメーヌ川沿いに位置し、下町にはレストランやカフェ、バー、ブティークが並びます。その外側にアンジェ城、CIDEF がありそれぞれ徒歩で移動できる距離に位置しているため、放課後に出かけることができました。

私のホームステイ先はフランス人とモロッコ人の夫婦で、2月から既に CIDEF で勉強している日本人のホストブラザーもいました。驚いたことに、ホストブラザーの実家が私と同じ市内にあることが判明しました。彼とは初対面の時からフランス語で話し始めたので、このまま日本語を禁じて過ごそうと思います。夕飯は20時と遅めですが、外はまだ明るいためお庭で食べました。週に2、3度ホストファミリーの友達が訪ねてきて一緒に夕食を取るそうです。この日は近所のご友人と、バゲットとチーズ、ソーセージ、そしてスイカを食べました。私自身の話をしたり、聞かれた質問に返答したりすることは特に問題なくできたのですが、ホストファミリーとご友人が話している内容を理解するのは非常に難しかったです。家族以外の人が自宅を頻繁に出入りする文化は日本であまり見るものではなく、とても魅力的だと思いました。

明日は授業初日ですが、早朝から広場で市場が開かれるという情報を得たので、授業開始前に散策してみようと思います。それではまた!Bonne journée !

 

研修5日目(2022/8/31)

Bonjour à tous !

8/31 水曜日、今日の天気は快晴です!サマータイムのおかげもあって、朝8時でも割と日が昇ってから時間が経っていないので、大して早起きもしていないのにすごく清々しい気分です。3ユーロくらい得したんじゃないかな笑

今朝の授業は10時からでしたが、授業に行く前に市場に行くことにしました。ヨーロッパの市場というとやはり、活気のある文化の中心というイメージがあり、もともと行きたいと思っていたので朝からずっとワクワクしていました。トラムに乗って Pl. La Fayette 駅で降り、歩くこと5分!まさにイメージ通りの市場とご対面!野菜や果物からパン、肉、服までなんでも買えそうです。最初はただ物色しているだけでしたが、あまりにもいい匂いがするので僕もパンを一つ買うことにしました。本当はクスクスや生ハムなど気になるものは沢山あったのですが、授業の前に食い倒れるわけにはいかないので我慢…次回のお楽しみです。

そのあとは、大学で最初の授業が始まりました。どんな授業になるのかやや不安はありましたが、始まってみると意外と大丈夫!先生方はかなり速く話されますが、さすがフランス語のプロというだけあり、明瞭ですごくわかりやすかったです。それにしてもフランス人のユーモアのセンスはさすがです。5分に一回は皮肉が飛んできます。ちゃんと笑えるようにならなきゃ笑

授業の内容は会話中心のものから詩の読解まで様々でした。会話は元々の僕の性格もあってとても楽しかったですが、詩の読解は…文学的センスの無さに絶望する時間でした…笑

授業後には友達と街に出て、本屋を求めて歩き回りました。ただ歩いているだけなのにどういうわけかたくさんの人に話しかけられ、お陰様でフランス語の会話練習になりました笑

しまいには小学生四人組に道を聞かれ、当然アンジェのバス事情などわかるはずもなかったわけですが、最後にはグータッチして別れました。言語や文化の壁を超えて心を通わせるいい経験になりました!!

歩き回って疲れたところで今日は帰宅。家に戻るとホストマザーがpâtes (パスタ) を作って待っていてくれました。フランス式dîner は野菜中心でとても健康的です。野菜や果物が安いのはさすが農業国といったところ。

ここで今日は終わりです。長々とお付き合いいただきありがとうございました。課題をしてお風呂に入って歯を磨いて寝ましょう!それでは明日に備えて。Bonne nuit, à demain !

岡野恵大

研修6日目(2022/9/1)

こんにちは。9/1(木)のブログを担当いたします、文科3類の牛島明音です。

この日は午前中だけ授業があり、午後は《gabare》(平底船)でメーヌ川の周遊をするプログラムに参加しました。

まず午前中の授業を少し。

この日は授業が始まってから二日目です。クラスごとに時間割が異なりますが、私のクラスでは午前の最後に初めての聴解の授業がありました。先生の説明も教材のビデオも、今まで体験したことのないような速度と量のフランス語で圧倒されました。これは無理かもしれない…と思いましたが、後に同じクラスの仲間みんな同じ感想だったことが判明したので勇気づけられました。一緒に頑張る仲間は大切です。ともかく、研修の最後には(これを書いているのは帰国後です)同程度の速度のフランス語も怖がらず聞けるようになっていたので、何事も挑戦と慣れだなと感じます。

大学の食堂にてみんなで昼食をとった後、午後は先述の課外プログラム、遠足のようなものに行きました。アンジェを突っ切る川、メーヌ川の岸から木でできた平底船にのりこみます。

船はこぢんまりとしており、船内は両側にベンチがついて中央には屋根が付いています。

出発すると、心地いい風の中、両側に続く川沿いの見事な街並みを楽しむことができます。船内では誰かがゆったりとした音楽を流し、フランスと言えば、の素敵なドリンクを飲みながら優雅なひと時を過ごしました。

個人的には、船内でアメリカから来た他の生徒と友達になり、互いの文化や言語、夢、好きな音楽等々について話が盛り上がったことがとてもよい思い出になりました。2週間程度の短い研修ですが、このように新しい友人と多く知り合うことができたのは本当に良かったと思います。アンジェでできた友人とは今でも連絡を取っています。

船での周遊の後はホームステイ先が同じ友人と一緒に街の古着屋さんに行きました。日本では最低気温が20℃以上でしたがアンジェでは昼25℃でも朝夜は12℃ほどに下がることも多く、上着不足に苦しんでいたのでここで買いました。なんだか現地人気分を味わって楽しかったです(笑)。

帰宅後はホストファミリーと庭で夕食をとります。この日は前菜がきゅうりのクリーム和えと紫キャベツのサラダで、主菜は古代麦を使用したミニトマトのクラフティ、デザートはケシの実のパウンドケーキでした。全てホストマザーのお手製で毎日とてもおいしかったです。体重計には怖くて乗りませんでした。ホストファミリーとの団欒を楽しんだ後はきちんと部屋で宿題と次の日の授業の準備をしてから就寝します。

このように研修中は毎日新しいことで満たされ充実した日々でした。

それではこの日はここまで。読んでくださりありがとうございました。

 

研修7日目(2022/9/2)

Bonjour ! 7日目のブログは文科二類2年の岸田玲奈が担当します。

今日は生憎の雨。フランス人は傘を差す習慣がないのか、フーディを被って雨の中を颯爽と歩いて行きます。授業後にアメリカ人のクラスメイトと散歩中、いかにも観光客らしく傘も地図も広げて彷徨っていたら、地元の人が道を案内してくれました。アンジェの人たち優しいです。

カフェや百貨店が集う Place du Ralliement というおしゃれな広場があるのですが、そこに面した小さな boulangerie でバニラ味のエクレアを買いました。実は私、前日にも別店のエクレアを食べていたので(好きなんです)食べ比べができて幸せでした。

その後は堀川さんも合流して Musée de beaux arts の作品を一緒に鑑賞。入館無料で非常に嬉しかったのですが、閉館18時は早すぎて案の定見終わりませんでした。また後日来ます。

授業も散策も終わり、今日も充実感に浸って帰宅しました。

今日はブログ担当日なんだとホストマザーに話すと、掲載リクエストが2つあったので書いておきます。

1つ目:Anémones du Japon(シュウメイギク)

こちらはマザーご自慢のお庭の花。Japon(日本)にまつわる者同士で記念写真も撮りましたが、恥ずかしいのでお花だけそっと載せておきます…。

2つ目:Paris Brest

こちらは自転車の車輪をイメージして作られたフランスのお菓子です。パリとブレスト(いずれも都市名)間で行われた自転車レースを記念に考案されたとか。

アーモンドの風味が香ばしくて最高に美味しかったです。なお、今日はカロリーオーバー。

明日は excursion で5時半起きなのでもう寝ようと思います。Bonne nuit !

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以上、再開なった 2022年度TLPフランス語夏季研修の報告の前半でした!後半もどうぞお楽しみに!

【追記】後半はこちらをご覧ください。

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