TLPスカラシップ2016:リヨン・パリ研修報告(2/3)

リヨン・パリ研修報告の第2回です。第1回はこちらをご覧ください。

【追記】写真を追加しました(2017/03/07)


リヨン・パリ研修 5日目(2017/02/17)

こんにちは。理Ⅰ36組の船岩大輝です。

18日の今日は、リヨンにお別れを告げパリに向かいました。2階席に座ってTGVに乗り2時間ほどの旅を楽しみました。当然のように違う席に座っているフランス人の方がいて驚きました。

パリではまずはエッフェル塔へ行きました。テロ以降警備が厳しくなり、二重の荷物検査があったのですが、一回目の検査では係の人たちが談笑しながら適当に検査していてフランスが少し心配になりました。

エッフェル塔に登るためには斜めに登るエレベーターに乗りました。ガイドの方の説明を受けながら展望台を一周しました。ゆっくり話してくださったので聞き取りやすかったです。アルベリック先生が荷物置き場にカバンを忘れるハプニングがありましたが、それをきっかけにガイドの方との会話が弾みました。

帰りは階段で降りました。東京タワーの展望台から階段で降りたこともあるのですがエッフェル塔の方が短く感じました。

その後はセーヌ川でクルーズを楽しみました。クルーズ船の二階で風に吹かれながらパリの街並みやいくつもの橋を眺めました。みんなで写真を撮りあってはしゃぎました。

夕食はホテルから少し離れたモロッコ料理のお店でいただきました。クスクスやタジン鍋などの珍しい料理を食べることができました。

ホテルはMercureというホテルに泊まります。ロビーから部屋の中までとても綺麗です。

 

リヨン・パリ研修 6日目(2017/02/18)

6日目のブログ担当の、理科一類の松長です。

本日は観光の日で、午前中はルーヴル美術館、午後はノートルダム大聖堂に主に行きました。

ホテルのビュッフェで野菜のない朝食を食べ(トマト食べたかったなぁ…、レタス食べたかったなぁ…フルーツポンチしかなかったなぁ…)、9時くらいにホテルを出発して、徒歩と地下鉄でルーヴルのほうに向かいました。ホテルを出るときに、私は部屋にカードキーを忘れていることに気づき、一人部屋なので人に頼んで開けてもらうこともできないという状況で、どちらかというと落ち込んだ気持ちで一日がスタートしました。ちなみに、私がカードキーを忘れるのは、本研修で二度目です。

自分自身の不甲斐なさが情けなくなりました。

まずは、ルーヴル美術館ですが、寺田先生とピラミッドの真下で落ち合い、チケット(15ユーロ)を買い、荷物を預け、そこで一旦解散して、二時間後に再集合となりました。とはいっても、最初はみな見たいところが同じだったので、全員でサモトラケのニケ、そしてモナリザを見てのち、別行動をとりました。サモトラケのニケは、腹部の、薄い布が胴体に風で張り付いている表現が石とは思えないほどリアルで、やはり見に行ってよかったと思いました。

私は、彫刻を主に見たかったので、ミケランジェロの『奴隷』を見るのを個人的な第一の目的として館内を何人かでまわることにしました。地図を頼りに中庭に出て、『奴隷』があるはずの展示室4を探しました。ナポレオンの居室へと向かう階段の下までたどり着き、その隣の展示室に続く道を探しましたが見当たらず、とりあえずナポレオンの居室を見ることにしました。非常に豪華で、一歩間違えれば悪趣味にもなりうるほど過剰な装飾に、思考を停止させられ美しいと感じざるを得ないほどに圧倒されました。

そこで結構な時間をとられてしまったので、速足で下の階に戻り、再び彫刻の展示室を探しましたがやはり見当たらず、自力でたどり着くのは無理だと思い近くにいたスタッフの方に場所を聞いたところ、現在展示室の展示品が数点修復中のため展示室が閉まっているとのことでした。

非常に落ち込みました。

あまりに落ち込んだので、他のところをまわる気力もなくなってしまい、北本君と二人でミュージアムショップを見ることにしました。北本君は、LOUVREと書かれた青いスカーフを買いました。彩度と明度が少し低めの落ち着いた色で、彼にとてもよく似合うと思いました。私は、弟にお土産としてノートを買いました。

集合時間になったので、カフェテリアで昼食をとることとなりました。

デザートメニューに、私の大好物であるところのタルトタタンがあったので注文しようとしましたが、他のデザートはあったのにタルトタタンはありませんでした。本日三度目の落ち込みです。結局、パニーニとチョコレートチップクッキーを食べ、ピーチティーを飲みました。

ほんの少し切なかったです。

昼食後には、30分間ミュージアムショップを見る時間が設けられました。それを知らずに昼食前にショップを見ていた北本君と私は、その時間で19世紀の工芸品の展示コーナーを見に行きました。こまごまとしていながら緻密な装飾が施された品々に、少女趣味を拗らせた私は大はしゃぎでした。

ルーヴルの後は、ノートルダム大聖堂に行きました。ゴシック様式の最高峰の一つだけあって、実物はテレビなどで見ていたイメージよりも繊細な雰囲気を持っていて、私は非常に興奮しました。大聖堂の前には、長蛇の列ができていましたが、ドリブル先生が予約をしてくださっていたので、私たちは優越感に浸りながらすぐに中に入ることができました。

大聖堂の中は、教会として美しいのはもちろんですが、観光地的な要素も強く、大聖堂やその周辺地域、フランスにおけるゴシック様式の建造物の歴史などの展示があり、非常に興味深かったです。しかし、染谷君がスリに遭いかけて、荷物の管理の重要さを思い知りました。

ノートルダム大聖堂を出てのち、バスティーユまで歩き、そこから電車に乗ってオペラ座の前で降り、周りを一周しました。國頭さんがとても楽しそうでした。

晩御飯は、凱旋門の前からシャンゼリゼ通りを通って、ガレットを食べに行きました。焼きリンゴとキャラメルのクレープがおいしかったです。タルトタタンの不在によりかなわなかった焼きリンゴを食べる夢がここで叶い、私はとても幸せな気持ちになりました。

ホテルに戻り、フロントにルームキーをもらいに行きました。少し緊張しましたが滞りなく鍵をもらうことができました。それによってほかの人よりフランス語で会話する機会を与えられたと思えば、鍵を忘れるのも悪いことばかりではないのかなと思いました。これからも精進していきたいと思います。

 

リヨン・パリ研修 7日目(2017/02/19)

こんにちは、文科III類の中野智宏と申します。TLP の仲間にはなぜか「ミスター」と呼ばれていますが、大学のミスターコンとは関係ありません。僕は小学生の頃、フランスに住んでいたことがあり、それが、今僕がフランス語を履修している一つの理由でもあります。

自己紹介はほどほどにして、本日の行程を紹介しようと思います。TLP フランス語スカラシップ研修旅行が始まってほぼ一週間ですが、今日はパリ郊外南西に位置するヴェルサイユ宮殿に行ってきました。

ホテルメルキュールの2度目の朝食を済ませた後、メトロに乗り、さらにRERに乗る予定だったのですが、なんとRERが運転停止中!

仕方がないので、他の駅まで歩き、結局バスで現地に向かいました。これについてアルベリック先生に、« Est-ce que c’est normal en France ? »「フランスではこういうことはよくあるのですか?」とおききしたところ、RER は停まることもあるが、その場合はシャトルが振替輸送をするのが普通で、これはよくあることではないとのことでした。その点不運ではありましたが、無事にヴェルサイユ宮殿に着くことができ、また現地で寺田先生ともちゃんと合流できました。

ヴェルサイユ宮殿は、フランス王国ブルボン朝絶対王政の最盛期を築き、「朕は国家なり」との名言を残したルイ14 世が建設した宮殿です。建築上の特徴といえば、金メッキの壮麗な装飾を施したゴシック様式の外装と、部分的にロココ様式が混在する内装でしょう。私たちTLP 生は、寺田先生やアルベリック先生の解説をお聴きしながら、この巨大な宮殿を巡りました。その解説によれば、入り口から順に、ヘラクレス、アフロディーテ、アルテミス、アレス、ヘルメス、アポロンなどと、ギリシア神話・ローマ神話の神が内装のテーマとして使われていました。また、例えば戦いの間(アレスをモチーフとした部屋)では、力(force)、慎重(prudence)、正義(justice)、法(loi)がそれぞれ女神の姿で寓意化されています。それぞれの持ち物や周囲の動物などが、書かれている人物が誰なのかを表すというアトリビュ(attribut)の概念についても学ぶことができました。

絶対王政というと、「王は神から権力を与えられた者である」とする王権神授説が思い浮かび、したがってキリスト教と王家が強く結びついているという印象を持ちがちです。しかし、このようにギリシャ・ローマ文化のシンボリズムを取り入れていることから、この時代の文化は決してキリスト教一色というわけではなく、古代の神話の色彩も濃く残っていることが実感されました。

さて、昼食は近所のケバブ屋さんで食べることになりました。ケバブという食べ物を実はちゃんと食べたことはなかったのですが、今回6ユーロのケバブ・グレック(kebab grec : ギリシャ風ケバブの意)がとても美味しく、ボリュームもあったので、それだけで満足しました。アルベリック先生や寺田先生も、学生時代によく昼食にケバブをお食べになっていたそうです。

その後、ヴェルサイユ宮殿に戻り、今度は庭園を観て回りました。あまりに巨大で、とても数時間で回りきれるような場所ではなかったのですが、まずはマリー=アントワネットの別荘であるプティ・トリアノンまで1時間(!)かけて歩きました。プティ・トリアノンは世界史の教科書などにも掲載される有名な建物ですが、今回はその内部を見ることができ、また意匠を凝らした調度品も鑑賞しました。

この時点でメンバーの皆はかなり疲れていたので、アルベリック先生が19時半に予約していた食事の予定を早め、19 時に食べ始めることになりました。道中、いろいろとお店に寄ったのですが、アンティークのお店で美しい青い壺に惹かれ、10€だったので買いました(先生には« Quelques minutes ! »(数分だけだよ!)と言われていたのですが、なんだかんだ時間がかかってしまいました……)。

夕食は、モンパルナスのピッツァ屋さんでした。一人2皿頼めば30%オフとのことだったので、僕はハムとチーズの盛り合わせ(前菜)とピリ辛サラミのピッツァ(メイン)を注文しました。ところがふたを開けてみれば、前菜を注文したのは僕だけ!周りの皆さんをお待たせすることになって申し訳なかったのですが、とても美味しかったです。ピッツァ本体もできたてで、何よりボリューミーでした。僕が払ったのは16€でした。なかなかリーズナブルなお値段の夕食だったと思います。

以上、疲れを軽減するためにモンパルナス駅で購入したレッドブルを飲みながら、ホテルの一室からお伝えしました。フランスやフランス語について、まだまだ学ぶことはたくさんありますが、残された数日間で最大限成長し、楽しみ、仲間との絆を築くことができるよう、全力を尽くしたいと思います。Au revoir !(さようなら!)

 

リヨン・パリ研修 8日目(2017/02/20)

8日目は朝8時に集合しホテルを出発。前日にヴェルサイユでたくさん歩いたのに加えてプレゼンの準備をしたグループも多く、ほとんどの人の顔に疲れの色が。天気は怪しげで気温も低く、みんな若干テンションの低い状態で1日がスタートしました。

一行はメトロでバスティーユにあるAirParifへ。AirParifはイル=ド=フランス地域圏(パリを中心とした地域圏)の大気汚染の状況を調査している機関で、環境省からも正式に認められているそう。ここではまず、パリ周辺の大気汚染の状況についてのプレゼンテーションを職員の方にしていただきました。汚染状況の変遷や汚染への対策等も知ることができ、大変勉強になる時間でした。

職員の方の説明が終わった後は、グループAが日本の大気汚染の状況についてプレゼンテーションを行いました。プレゼンの途中では時たま職員の方が鋭い質問をしてくださり、プレゼンが全て終わった後に質疑応答の時間を設ける日本との形式の違いを感じました。個人的にはプレゼンの途中に思いついた質問を忘れてしまうことが多いのでフランスの形式もいいかなと感じましたが、プレゼンをしていたグループAの方では多少のやりづらさも感じていたようです。

プレゼンの後はAirParifの職員の方にお礼を言い、メトロでイタリア広場へ。このあたりにはアジア料理の店が多く、ベトナム料理のフォーを昼食に食べることになりました。久しぶりのアジア料理で元気を回復します。

イタリア広場の駅はショッピングモールにつながっており、昼食の後はここで1時間半ほど買い物をすることに。フランスにしか売っていないグッズを見つけて盛り上がったりしながら楽しく過ごしました。

続いて向かったのは、日本の国会図書館にあたるような存在である、フランス国立図書館(BnF)。寺田先生の説明によれば、セーヌ川に面して建てられており、図書館としては不向きに見える立地には批判も多いとか。中庭に植えられた木々もあまり評判は良くないそうですが、ガラス張りで川の景色も良く見え、緑に囲まれた図書館の様子は、筆者にはなかなかスタイリッシュに感じられました。図書館の書庫に実際に入ることはできませんでしたが、ルイ14世に贈られたとされる地球儀と天球儀をみるなどしながら内部も少し回りました。

図書館を出て向かった先は、INALCO(フランス国立東洋言語文化研究所)。ここは研究機関であると同時に大学でもあり、ここで日本について学ぶフランス人大学生・大学院生との交流の機会をいただきました。ほとんどの学生が私たちよりも年上だったこともあって日本語のレベルは総じて高く感じましたが、もちろん全て日本語というわけにはいかず、フランス語や英語を使いながら頑張ってコミュニケーションをとりました。日本文学や日本の社会について研究している学生が多く、彼らの視点から見た日本文化はとても興味深く感じました。個人的には、自分が法学部志望ということもあって、INALCOで法学部に所属していた大学院生の方との話が一番興味を惹かれました。彼の話を聞いて、フランスで弁護士になるためには必ず法学部を卒業する必要があり、日本のような法科大学院制度は無いと初めて知りました。2時間程度の交流でしたが予想以上に多くの学生と仲良くなることができ、連絡先を交換して写真も一緒に撮りました。

INALCOで話に花が咲きすぎてしまったこともあり、夕食の予約を大幅に遅れながら急いでバスで移動します。今夜の夕食は“Moules Frites”(ムール貝とフライドポテトのセット)で、フランスに来て毎食のことですがその量の多さに圧倒されました。シンプルな料理ですが筆者はなかなか気に入り、結局他の人の分も食べて1.5人前くらい平らげてしまいました。

今日全体としては、朝は環境問題についてじっくり学ぶことができ、昼はショッピングと観光、夕方は現地学生との交流と、盛り沢山かつ勉強と遊びのバランスの取れた良い1日だったと思います。明日も環境問題の学習やプレゼンが続きますが、しっかり体力を維持して楽しんでいきたいと思います。

(報告:文科一類 北本孟)


以上、報告の第2回でした。第3回は3月8日を予定しています。こちらをご覧ください。

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