2019年度TLPフランス語春季研修(パリ・ブリュッセル、2020年2月)2/2

2019年度TLPフランス語春季研修(パリ・ブリュッセル、2020年2月)報告の後半です。

研修5日目(2020/2/6)

Bonjour à tous! 5日目のブログを担当させて頂きます、文科3類一年の三上真加奈です。

本日もいつも通り9時にFIAP(滞在しているホテル)のロビーに集合し出発です。外に出てみると、パリ滞在初の快晴でした。曇った街も憂愁があって素敵ですが快晴の気持ち良さは格別でした。最寄り駅からMusée d’Orsayに向かいます。車窓から行き交う人の姿をぼんやり見ていたらあっという間に着きました。パリのメトロは日本より走行中の音が大きい上かなり揺れます。パリの地下を疾走している感じがしてわくわくするけれど、体調が悪い人には辛い揺れ加減かもしれないな、など考えつつ歩き、美術館に着きました。

美術館では、目からは芸術作品が、耳からはフランス語が飛び込んでくるという、ひたすら美しいものに囲まれる数時間を過ごしました。本物の作品の存在感に圧倒されました。作り手が意図したサイズで見ることや、美術館側の作品の解釈・作品の見せられ方が、鑑賞者側の体験に大きな影響を与えるのかなと思いました。

図1:Musée d’Orsayのパンフレット

あっという間に集合の時間になり、再びメトロに乗ります。既に一時半なので次の目的地に向かう前に、Le Petit Caporalというレストランで先ずは昼食です。私はクロックムッシューを頂き、チーズのほろほろ加減に感動しました。

図2:クロック・ムッシュー

さて、美味しいご飯を頂いたところで、次の目的地、l’école vétérinaire という、ヨーロッパで二番目に古い獣医科大学に向かいます。l’école vétérinaire  の三年生の方がキャンパスのミニツアーと、大学併設の Musée Fragonard の案内をして下さいました。Fragonard は、l’école vétérinaire の初代学長だった方で、Musée Fragonard には、彼が作った人体模型や動物の臓器のホルマリン漬け及び骨など、興味深い展示が沢山ありました。全ての説明を理解することはできませんでしたが、聞き取れた中で面白かったエピソードを紹介します。

図3:Musée Fragonardの内部

先ず面白かったのは奇形 monstre の話です。奇形にも色々な種類かあり、重症(上半身が無いなど)だと長く生きれませんが、軽症(足の数が多いなど)なら比較的長く生きられるとのことです。動物の正常な発生の過程が分かるという観点で、奇形の研究は重要とのことでした。また、牛が誤飲したもの(鉄製品など)の展示もありました。牛はなんでも食べてしまうそうです。誤飲物は牛の体内に磁石を入れて取り除くとのことでした。

沢山の興味深い話を聞き、生き物の不思議に思いを馳せたところでお別れの時間となり、l’école vétérinaire を後にしました。メトロに乗って FIAP に帰り、いつもの食堂で夕飯(ビュッフェ形式)です。5日目ともなると各自食堂のお気に入りメニューが決まってきたようです。それだけ、パリ暮らしに慣れてきたということかもしれません。今日の出来事をゆっくり思い返しつつ、明日は何が見れるかわくわくしながら寝て、5日目が終わりました。

研修6日目(2020/2/7)

はじめまして。理科一類の島村龍伍から2/7のご報告をさせていただきます。この日は午前中がエッフェル塔、午後がセーヌ川クルーズ、という行程でした。(なお、私は後述の理由によりセーヌ川クルーズは参加することが叶いませんでした。)

普段どおり、朝食をFIAPでとった後、エッフェル塔に行くためにTrocadéro駅に移動いたしました。エッフェル塔の最寄り駅といえば、Bir-Hakeim駅ですが、Trocadéro駅で降りたのは、その見事な景観故です。小高い丘の上にあるPlace du Trogadéroでは、眼下に見事なパリ市内の眺望を得ることができます。

その後、二時間ほどドリブル先生のご案内によりエッフェル塔の周りを散歩した後、ガイドのLeyeさんと合流いたしました。Leyeさんは”interactive”なツアーを売りにしている方で、ロールプレイやクイズを交えながら、飽きさせずに約1時間のツアーをしてくださいました。エッフェルさんが総工費の80%を自己負担したこと、その負債をオープンからわずか半年で返済したことなど、エッフェル塔にまつわる興味深い知識から、パリジャン・パリジェンヌから嫌われている高層ビルなど、地元色の強い知識まで、幅広く解説して頂き、とても興味深かったです。

ちなみに、登るときはエレベーターをつかったのですが、下りは階段を使いました。ドリブル先生の足が長く、追いつけそうになかったことが印象的です。また、上空115メートル(第二展望台)よりも、上空20メートルほどの曖昧な高さのほうが、落ちたときのイメージがより鮮明になって怖いものですね。

昼食はビストロ Saint Dominiqueにてとりました。我々は2階(Prémiere Étage)にて食事をしたのですが、1階(rez-de-chaussée)から上がるための螺旋階段がとても窮屈だったことが印象的です。

昼食後、みなさんはBateau Moucheという観光船に乗り、セーヌ川のツアーをしたそうです。

しかしながら、私は不運な事故によりパスポートを失っていたため、日本大使館に寺田教授と行くことになりました。

無事パスポートの受け渡しが終わり、他の学生たちとホテルで集合するまで、しばし時間がありましたので、寺田教授とサントノレ通りを散歩いたしました。サントノレ通りにはエルメス、ルイ・ヴィトンなどの有名ブランドも店を連ねていますが、それ以上に印象的だったのはアート・ギャラリーの数々です。それぞれのギャラリーに、版画、現代美術、近世西洋美術など、得意分野があり、それぞれがとても個性的なのです。また、マドレーヌ寺院も道程にありましたので、訪れました。長く行われていた内装改修工事が2年前に終わったばかりであり、教会内は黒と金を貴重とした、荘厳な内装となっておりました。寺田教授は教会の最奥にある彫像だったり、寺院の建築様式(新古典主義)についてなど、教養深い解説をしていたきました。以下の写真は、寺院からオベリスクを望んだ写真となっております。

マドレーヌ寺院を離れてからは、ホテルにメトロをつかって帰り、他の生徒達と合流しました。

以上を持ちまして、2/7の報告を終わりとさせていただきます。

研修7日目(2020/2/8)

Bonjour!理科二類1年の松本真那果です。研修7日目、2月8日のブログを担当します。午前中はヴェルサイユへ行き、午後はルーヴル美術館という盛り沢山の1日でした。

ホテルの最寄駅からメトロに乗り、RERというパリと郊外とを結ぶ急行列車に乗り換え、ヴェルサイユまで行きました。

駅から少し歩くと、あいにくの曇り空を晴らすほどの勢いで輝く門が見えてきました。

荷物検査を済ませ、音声ガイド(日本語でした!)を手にすると、あとは自由行動です。足を進めると、金色で豪華な装飾が一面に施された部屋が待ち構えていて、思わず感嘆の声が漏れました。

各部屋で音声ガイドを再生すると、飾られている絵画、家具、装飾についてと、その部屋で何が行われていたのかについての説明を聞くことができました。王室礼拝堂、王の居室、王妃の居室、戴冠の間など、どの部屋も他の部屋に負けず劣らずゴージャスで、豪華絢爛という言葉はこのためにあるのか、と思いました。

特に私の印象に残ったのは、鏡の間です。謁見や宴の場として使われていたこの部屋は、シャンデリアと壁一面の鏡(約600枚も!)によって光に溢れていました。

私は世界史の勉強は何年も前にやったきりで、ルイ14世やマリーアントワネットなど、この宮殿についておぼろげにしか知らないまま来てしまいました。それでも宮殿の美しさに十分感動したのですが、もっと前提知識があればどれほど感慨深い思いができただろうと少し後悔しました。理系であっても幅広い教養は必要ですね。

一通り中を観終わったあとは、お土産タイムです。香水やお皿など、とっても可愛いものばかり並んでいて、見ているだけで心が踊りました。マカロンのラデュレのお店もありましたが、マカロンは日持ちしないので残念ながら自分用にだけ買って食べました。パリに行けば毎日食べられるかと思っていたのですが、実はこれが研修中初のマカロンです。定番のピスタチオやフランボワーズなどの他に、マリーアントワネットという名前の紅茶の味のマカロンもあり、とても美味しかったです。

初めに通った門のところで集合予定だったのですが、なにせ宮殿は広くて複雑な構造なので迷ってしまい、とても焦りながら集合時間ギリギリに到着しました。しかし、迷ったのは私だけの話ではなく、全員が集合したのはだいぶ時間が経ってからでした。

ヴェルサイユ宮殿をあとにし、近くのケバブ屋さんで昼食をとりました。ケバブはフランスでは定番のファストフードだそうです。ケバブ以外も含めてたくさんのメニューがあり、優柔不断な私はすごく迷ったあと、タンドリーチキンのケバブサンドをいただきました。ポテトにつけるソースもたくさんの選択肢があり、中にはサムライという名前のものもありました!

昼食を済ませ、パリに戻るために駅へ向かいます。乗りたい電車があと3分で発車してしまう!ということで、ご飯の直後なのにみんなで猛ダッシュしました。が、なんと電車は目の前で発車してしまいました…!ルーヴルまで直通の電車に乗れる予定が、乗り換えありのコースになってしまいました。

Palais Royal Musée du Louvreという駅で電車を降り、外に出るとたくさんの警察官が立っていて、あたりには緊迫した雰囲気が立ち込めていました。デモです。そのせいで道路が封鎖されていて、美術館の周りを随分歩いてやっと、入り口に辿り着きました。この時が14時半頃で、見学後の集合時間は17時ということになりました。中に入り、チケットを買うまでにしばらく待ち時間があったので、見学の時間は2時間ほどしかありませんでした。ルーヴルはとても広く、全部を見るには5日かかるとも言われています。そこを2時間で見なくてはいけないということで、私と一緒に回った友人とは、欲張らず有名作品だけ見れたらそれで良しという作戦に決めました。目標はダヴィンチのモナリザ、ドラクロワの民衆を導く勝利の女神、ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ、フェルメールのレースを編む女、そしてハンムラビ法典の6つを制覇することです。ここで私たちは大きなミスを犯しました。なんと地図つきのパンフレットを取らずに館内を回り始めてしまったのです。館内マップは中に入ってしまうとまばらにしか掲示されておらず、後々大いに苦労することになるとはつゆ知らず。ルーヴルは、ドゥノン翼とシュリー翼、リシュリュー翼の三つから成り立っているのですが、私たちの目的の6つは全てドゥノン翼にあるので、今回はその翼のみを回りました。歩き始めてすぐに、ドラクロワの民衆を導く自由の女神女神を見つけて、テンションが上がりました。順調な滑り出しです。美術に疎い我々でも知っているほどの有名作品なので、結構人が集まっていました。

その後直進すると、階段の踊り場にサモトラケのニケがいました。想像よりも大きくて、迫力に驚きました。

次にモナリザです。(ここではモナリザではなく 「ラ・ジョコンド(La Joconde)」 と呼ばれています)。ドゥノン翼に入ってからずっと、道にモナリザの方向を示した標識が点々と置いてあり、簡単にたどり着くことができました。さすが、待遇が別格です。

モナリザの前には長い列ができていて、なんと見るまで10分待ちということでした。まあ、せっかくなので並びます。ここまで順調に進んでいたので、10分くらいなんてことありません。列の先頭の15人ほどがパーテーションの中に入ることを許され、間近で(とは言っても本当に目の前で見られる他の作品とは違い、何メートルも離れた位置で、しかもガラス越しです)短時間見ることができるというシステムでした。

モナリザと自撮りをしている人たちがたくさんいて、並んでいる間はそれを見て笑っていた私たちでしたが、いざ自分たちの番になると不思議と雰囲気に流されて自撮りをしてしまいました。確かにモナリザとツーショットを撮るチャンスなんてそうそうないですからね。あっという間に追い出され、モナリザの人気とオーラに圧倒されながらモナリザの部屋を去りました。その後間も無くしてミロのヴィーナスのもとにたどり着き、失われた両腕について想像しながら鑑賞しました。

次はフェルメールを目指しますが、結構奥まったところにあり、見つけるまでだいぶ苦労しました。わかりにくいところにあるせいかあまり人もいなかったので、レースを編む女、天文学者の二作品を近くでじっくりと堪能できました。

あとはハンムラビ法典を残すのみです。この時16時過ぎで、だいぶ時間の余裕があると思っていましたが、ここからが本当に苦難の道でした。ハンムラビ法典が0階にあるというのはわかっていましたが、古代の作品が置いてあるエリアをぐるぐると歩いても見つからず、らちがあかないので職員の方に聞くことにしました。教わった通りに進んでも見つからず、別の方に聞いても辿り着けず、また別の方に聞くと「まっすぐ行って、降りて、のぼる」と言われたような気がしました。「降りて、のぼる」の意味がわからなかったのですが、自分たちのフランス語力の低さゆえの聞き間違いだろうということで、とりあえず下の階に降りました。それでもないので元の場所に戻り、もう一度0階をぐるっと回りました。この時点で集合時間10分前の16:50で、もう諦めてハンムラビ法典になんとなく似ている別の石盤を撮ってあとは気楽に回ろうということにしました。

階段を降り、先程一度来た-1階をゆっくり見ながら進むと、目の前に別の上り階段が。「降りて、のぼる」とはこのことか!と気づき、ハンムラビ法典は近いと確信しました。時間の余裕がなく、失敗は許されないのでこまめに職員の方に聞きながら目標を目指して急ぐと、ついに目の前にハンムラビ法典が!

時計を見ると、16:55です。50分ほどずっとハンムラビ法典を探していたことになります。人生で、ハンムラビ法典を見つけてこんなに興奮することがあるとは思いませんでした。急いで写真を撮り、自撮りもして、あとは集合時間を目指しました。お土産を見る時間は全く取れませんでしたが、ハンムラビ法典を見つけられずにお土産を買っていたら、後味の悪いルーヴル見学になっていたことは想像に難くなく、後悔はありませんでした。今回は2時間かけて1つの翼をダイジェストで回ることしかできず、ルーヴルの巨大さを実感しました。いつか再訪して、今度はじっくりと全部回りたいです。

集合後、このままホテルに帰るか、買い物に行くかを決めるためにLINEの投票機能を使いました。民主主義です。その結果、一票差でホテルへ帰ることになりました。私は買い物をしたかったので残念ですが、多数決なので仕方なく、みんなで帰りました。しかしドリブル先生は優しいので、いったんホテルに帰った後、買い物へ行きたい人たちをルーヴル近くのLe Carrousel du Louvreというショッピングモールまで連れて行って下さいました。可愛い雑貨のお店やロクシタンなどで、お土産を買うことができました。さらに、先生が予約して下さったお店でパリでの最後の晩餐も楽しみました。

セーヌ川やエッフェル塔の夜景も素晴らしく、パリの最高の締めくくりになりました。先生に感謝です!!

明日からはいよいよブリュッセルです!この研修も終わりに近づいて来ましたが、最終日まで実りあるものにしたいです。

まとまりのないブログですが、最後まで読んでくださりありがとうございました。Bonne nuit!

研修8日目(2020/2/9)

こんにちは、研修7日目を担当する理科2類の西尾美哉です。

パリでの寒さを少しナメてかかってしまった結果、前日は不覚にも寝込んでしまったものの、日頃の行いの良かったのか、おかげさまでこの日はピンピン。お世話になったFIAPにお別れを告げ、毎日通った Denfert Rochreau 駅から Gare du Nord  へと向かいました。

空港から RER で40分のところにある Gare du Nord はパリの中でもとてもとても大きな駅で、ユーロスターでイギリス、Thalys でオランダとベルギーにもすぐいけてしまう主要な駅!ただしスリには要注意との助言をいただき、私はスリが嫌いなので、財布を握り締めすぎて手が白くなっていました。

また近年、テロ対策で電車の発車改札を乗る直前までわからないようにしているとのことでしたが、明らかに目の前に止まっていて「THALYS」と大きく書かれている赤い電車。私たちの乗る電車だとすぐわかりましたが、そこはあたかも気がつかなかったようにして素通り。

日本では実感の薄かったテロ対策に少々どきりとするも、なんとなくのゆるさに、大変なんだなと思いながら駅内のPaulというお店でお昼ご飯を購入。残りの時間は友達の1人が構内に設置してあるピアノで何曲かを演奏していました。徐々に周りにいたフランス人が彼を囲んで楽しくワイワイ。そして演奏しているかれに話しかけに行ってました。思わぬところでの、国際市民交流です。

いざ Thalys に乗り込んだ感想は…とても赤くてかわいい! とりあえず体力温存のために寝ようと思うものの、あっという間にブリュッセルに着いてしまいました。旅の後半にさしかかりケチケチモードに入っている私は、1時間30分の旅行で5000円は高いなと思うものの、日本の新幹線の方が高いと思い直し、まぁしょうがないかなと。(いや、ロマンスカーはもっとお手頃?)

駅では日本語を勉強しているブリュッセルの学生さん、Madame Watanabe とお会いして、美味しいハート型のチョコをいただきました。メルシー!

午後は学生さんたちと一緒に、ブリュッセルをぐるり一周して主要なところを見てまわりました。途中で名前がなかなか覚えられない超有名ワッフル屋さん(のちに調べました→ Dandoy ご参考までに)で目から涙が出るほどおいしいワッフルを食べるなど、わいわいベルギーの学生さんとお話をして楽しく過ごしました。みなさんとても優しくて、日本語でもフランス語でも会話をしました。ここで気がついたのは、見事に初日より向上した自分のリスニング能力! しかし本日は移動でヘトヘトで、話されていることはわかっても、英語も日本語もフランス語も同レベルぐらいにか発することができませんでした…。とほほです。

夜はベルギーのマクドナルドと呼ばれるファストフード「Quick」で食事。チキンラップ的なものを食べた気がするが、いつものように一番上のメニューを指図しただけなので何を食べたか正直わからない。海外行って一番大変なのは道案内でもお金管理でもなく、レストランでの注文。毎日が一番上or一番下のメニューを頼む日々でしたが、今日もご飯は大当たり。とてもとても美味しかったです!(写真はないけど)

研修9日目(2020/2/10)

こんにちは、理科三類一年の丸谷樹広です。研修9日目のブログを担当させていただきます。この日はブリュッセルで丸一日過ごす最初の日で、多くの発見にあふれた日でした。

朝は8時に集合ということで、早起きしてホテルで朝食。FIAP と同じくクロワッサンとパン・オ・ショコラがありましたが、こちらのものは小さくてサクサクしていました。ハムの種類は FIAP よりも多く、またカプチーノ、カフェ・オレ、ホットココアなど、飲み物の選択肢が多かったです。特にクロワッサンとパン・オ・ショコラは FIAP での滞在中に大好きになっており、帰国してからも研修の味として記憶に残ると思います。

満足感のある朝食をとったところでトラムウェイに乗って ULB(ブリュッセル自由大学)へ。ULB の日本語学習クラスの2年生たちとの交流授業です。ULB の学生たちがベルギーの抱える問題について3つのプレゼンをしてくれました。一つ目のプレゼンはベルギーで難民受け入れのための活動をしているグループについてのものでした。政府の難民受け入れ抑制の方針に反対してデモや個別の難民への支援を行い、成果を出しているそうです。発表者も実際にそのグループに所属しており、デモに参加したり、難民に食事を振る舞ったりしているようです。二つ目はベルギーでの肥満について。日本や韓国と比べ、大幅に肥満率が高く、その原因は外食でヘルシーな食事は値段が高いことが多いことにあるという分析でした。ベルギー名物のフリット(フライドポテト)は動物の油で二度揚げされたものでないとベルギーのフリットと認められないと ULB のワタナベ先生が説明してくださりました。太りそう。三つ目は公共交通機関の遅延、運休に関して。ベルギーでは特に遅延や運休が多く、その原因としてトラムの運転手に仕事への意識が低い人がいることや、ストライキが多いことなどが挙げられていました。TLP からは成人用オムツについての発表がありました。幼児用オムツと成人用オムツの違い、オムツのもたらす環境汚染などに関する発表で、ベルギーの学生から質問が5つも飛び出し、大盛況となりました。

授業の後はワタナベ先生が大学を案内してくれました。立派な自習室や図書館がありました。開放感のありまた落ち着いた空間で、何人もの学生が自習していました。キャンパス見学の後は昼ごろまで ULB の学生たちと大学内のカフェで歓談し、学長にご挨拶しに行った後はいよいよ昼食です。ULB の学生たちと大学内のカフェテリアでとりました。ベルギーの伝統料理のコーナーがあったのでそこで肉団子のトマトソース煮込みを頼むと付け合わせにフリット(フライドポテト)が。ものすごく太りそうですがここは腹を括って日本に帰ってから運動してやせることにしました。昼食時に同じテーブルだった ULB の学生は1ヶ月間東京の語学学校に通っていたことがあり、寿司と照り焼きが好きだそうです。

しっかり食べた後は大学を出てEU本部の前で集合写真をとりました。広々とした場所で、英語の掲示が多かったのが特徴的でした。いい写真が撮れたところで ULB の学生の引率でグランプラス付近へ。戻る途中のトラムで歓談していると何やらもやもやした感じの匂いが。周りを見るとすぐ後ろに座っていたおじさんが何かモサモサしたものを持っています。日本語の上手なULBの学生が大麻だと説明してくれました。ベルギーでは大麻の所持は合法です。日本と比べると入手は容易で、試験勉強の際に目を覚ますエナジードリンクがわりに使う学生も少なくないようです。ULB はベルギー「自由」大学という名があるように、政治や宗教に影響されない自由がある一方で、大麻の販売もよく行われているというお話でした。手放しで賞賛されがちな「自由」の持つ意味の深さについて考えさせられた出来事でした。

グランプラスに着いた後は夕食の時間まで自由行動となりました。皆が思い思いに時間を過ごす中、私は文系の学生と一緒に ULB の学生の案内で有名な漫画タンタンのグッズショップへ。小さい頃タンタンが大好きでタンタンの漫画を全部読んだという ULB の学生のオススメの巻を購入しました。漫画をゲットした後は近くのカフェで歓談。パリ第7大学や Science Po の学生との交流を経て、日本語を学習する向こうの学生とのテンプレトークが上手くなっており、スムーズにフランス語で会話できました。

夕食はグランプラスにあるT Kerderkというレストランでいただきました。皆ベルギー名物のムール貝を注文しました。貝の身をフォークでなく貝殻を使って取り出して食べるのがベルギー流だそうです。ムール貝は旨味が強くそれでいてしつこくない味で、皆夢中になって食べていました。白ワイン煮込み、赤ワイン煮込み、ガーリックなど味付けによっても味わいが変わるようで、異なる味付けのムール貝を交換して食べ比べていました。付け合わせにはおなじみのフリットが。こちらもベルギー流にマヨネーズをたっぷりかけて食べました。量はあまり多くありませんでしたが、しっかり二度揚げされている分、満足感が強かったです。

次の日はULBでの最終日です。ブリュッセルに到着した日に出迎えてくれた学生たちと再会するのを楽しみに、夜のグランプラスを歩いてホテルに戻りました。

研修10日目(2020/2/11)

Bonjour!理科三類の江口彩花です。10日目のブログを担当させていただきます。

この日はブリュッセルで過ごす最後の1日でした。午前は ULB(ブリュッセル自由大学)の1年生との交流、午後はマグリット美術館の見学と ULB の学生とのディナーという行程でした。おそらく一番フランス語を話した1日だったと思います。

ところで、私事ですが8日目レストランで夕食を食べている最中にコートのポケットに入れていた iPhone を盗まれてしまいました。スリが多いと言われる Gare du Nord や市街地を抜け、油断しきっていたところあっさりと盗まれてしまい自分の危機管理能力のなさに呆れましたが、これもまたいい経験だと思っています。こういうわけで、他のカメラを持ってきていなかったため写真を撮ることができず、本日のブログの写真は少なめになっています(友人に撮ってもらいました)。もっとお見せしたいものがあったのですが、すみません。

それでは気を取り直してブログを書き進めていこうと思います。

この日のホテルでの集合はなんと7時15分!前日マダム・ワタナベが7時50分に教室に集合するようにとおっしゃった時は冗談かと思いましたが、どうやら ULB の授業は8時から始まるようです。ストライキなどで交通機関が止まることも多いのに大変だなあと思いました。ちなみに私たちが到着したのは8時10分ごろ。そこそこの遅刻です。その頃には ULB の学生さんはほとんど集合していて感心しました。

自己紹介をした後、ULB の学生さんによるプレゼンと TLP の学生の Silver Tsunami に関するプレゼン(パリ第7大学に続き2回目!お疲れ様でした)がありました。ULB の学生さんのプレゼンの中では、ベルギーで人気の音楽に関するものが印象に残っています。普段あまり洋楽を聞かないので知らないものばかりで興味深かったです。特にラップなどは聞いたことがなかったので今度もう少し聞いてみようと思います。Silver Tsunami のプレゼンについては、かなり興味を持っていただけたようでした。パリ第7大学に続き、高齢化対策として移民を受け入れることについてどう思うか、という質問があったのが印象に残っています。移民はヨーロッパではかなり関心を集めているトピックのようです。

10時ごろに授業が終了し、昼過ぎまで ULB の学生さんと過ごすことに。昨日のように大人数でカフェで机を囲む感じかな、と思っていたらなんと TLP の学生1人とULBの学生さん数人で1時まで過ごすとのこと!人見知りの私にとっては相当厳しい時間だ、と思っていましたが、一緒に過ごした学生さんと「語学の勉強がしたい!」という思いが一致し、いろいろと話すことができました。私がフランス語を練習できるようにフランス語で話しかけてくれることが多かったですが、途中で日本語の練習のため、ということで日本語での会話もしました。お互いにフランス語、日本語、英語の三言語が多少なりとも使えたので、うまく伝えられない時はこの三言語を混ぜてお互い必死にコミュニケーションを取りました。これぞ TLP!おそらく英語のみでのコミュニケーションは難しかったので、第二外国語の習得の重要性を実感しました。ULB の学生さんは日本語を専攻しているだけあって日本の文化に非常に興味を持ってくれていて、いろいろ質問されました。さらに、日本語習得へのモチベーションも非常に高く、授業での疑問点(漢字や敬語)も聞かれました。宿題や小テストの勉強も手伝いました(笑)。ディクテーションを難しいと感じるのは日本人だけではないようで安心しました。カフェでバゲットサンドと chocolat chaud(ホットチョコレート)を食べた後、キャンパスを案内してくれました。基本的には東大と大きくは変わりませんでしたが、建物の密集感が少なく、広場が多いという印象がありました。開放感があって良かったです。カフェがたくさんあること、図書館が広いこと、昼寝をするための建物があること(!)がとても羨ましいです。ULB の学生さんと過ごした3時間、会話を続けることには苦労しましたが、フランス語の会話能力はかなり上がったと感じています。

午後はマグリット美術館を見学しました。マグリットはベルギー出身のシュルレアリスムの画家です。《Être surréaliste, c’est bannir de l’esprit le “déjà vu” et rechercher le “pas encore vu”》というマグリットの言葉にもあるように、既存の価値観に囚われない自由な発想で描かれた絵画は非常に興味深く、また題名を見ると、なぜその絵がそのテーマを表しているのか考えさせられました。少し難しかったですがかなり頭を使い、楽しい時間でした。今度もう少し勉強してみようと思います。

美術館を見学した後は散歩をしながらピザ屋さんに向かいました。この研修は徒歩移動が多く、足の筋肉痛に悩まされながらもかなり体力をつけられました。ブリュッセルのきれいな街並みを見られる時間も残り少なくなっていたので目に焼き付けるようにじっくり見ていました。

ピザ屋さんでは ULB の学生さんに勧められた生ハムのピザを食べました。(切れ味が微妙な)ナイフとフォークで食べるのに苦戦しましたがとても美味しかったです。前日夕食を食べたレストランで飲み物を頼まなかったら水すら飲めなかったのを思い出し、しっかりと水も注文しました。ずっと一緒に観光してくれた学生さんの隣だったので会話が弾み、楽しい時間を過ごせました。また、前に座っていた学生さんは日本人の彼氏さんがいるそうで日本文化に詳しく、「日本人あるある」で話が盛り上がりました。ULB の学生さん同士のフランス語での雑談も少し理解できるようになっていて嬉しかったです。話している内容は日本人同士とあまり変わらない気がしました(笑)。彼女たちとの会話の中で印象に残っているのはフランスに対する対抗心(?)です。「フランス人あるある」や「フランスとベルギーどっちが好き?」という話題はブリュッセル滞在中頻繁に現れました。隣り合っているとついつい意識してしまうのはどの国も同じだなあと少しほっこりしました。

食べ終わった後集合写真を撮り、ホテルへ帰りました。風が強くとても寒かったですが星が綺麗に見え、星座を探しながら楽しい時間を過ごしました。ホテルに着いた後、盗難や落とし物でドリブル先生にお世話になった学生4人で先生に帽子と布巾をプレゼントしました。フランス語がまだ十分に話せない私たちを警察署などで助けてくださり、非常に心強かったです。ご迷惑をおかけしましたが、非常に感謝しています。重ね重ね、ありがとうございました。

翌日は早くも帰国日。お土産をトランクに詰め、思い出に浸りました。出発前は10日間は長いと思っていましたが、今はまだまだ物足りない気持ちです。もう少しフランス語を勉強しておけば良かったなあ、もう少し積極的に話していればなあ、など後悔もないとは言えません。特に今日はうまくコミュニケーションが取れずもどかしい思いをする場面が多く、これからも頑張らなくては!とモチベーションがますます上がった1日でした。

それではまた会う日まで、Au revoir!

研修11日目(2020/2/12)

こんにちは。理科三類一年の森田瑛斗です。

ついに最終日のブログとなってしまいましたが、最終日は帰国イベントのみで他の日と比べるとやや寂しい気がしますが、お付き合い頂けると幸いです。

朝、ブリュッセルのホテルを出発し、バスに乗って駅に向かいました。ブリュッセルの歩道は石畳になっているので、皆スーツケースを悪戦苦闘しながら運んでいました。

↑バス停まで歩いている様子

 

↑ 駅のチケット売り場周辺の画像。ベルギー発のファストフード店 Quick の広告と共に。
ブリュッセル自由大学の学生はマックより Quick の方が好きだと言っていました。

お昼前にブリュッセル国際空港に到着。スーツケースを預けた後、最後のお土産タイムがありました。皆パリやブリュッセルで買い足りなかったのか、ベルギーチョコやビールをリュックがパンパンになるまで買っていました。

↑ 空港内にあったタンタン(エルジェ作のベルギーの漫画)のロケット。分かりやすい集合場所ですね。

飛行機は直行便ではなく、フィンランドのヘルシンキ空港を経由して成田空港に向かうトランジット便でした。

飛行機まではバスで移動しました。フィンランドの航空会社 Finair に乗りました。私の席は3人席なのに、前の席が4人席だったため、スクリーンが左斜め前にありました。見づらい!

飛行機で東に飛ぶこと2、3時間、バトルシップというゲームで横に座っていた西尾さんと延々と離陸から着陸まで対戦してました。

↑ 午後3時頃ヘルシンキ空港に到着。表示はフィンランド語かと思いきや英語が一番最初でした。トランジットの人が多いからでしょうか。

まだ皆お昼を食べていなかったので、空港内でお昼を食べることに。お昼はバーガーキングで食べてしまったので、あまりフィンランドを感じることはありませんでしたが、ペットボトル売り場にブルーベリージュースが大量に売られていたのが印象的でした。搭乗する場所には日本人が沢山いて懐かしい感じがしました。

いよいよ日本に帰る時がやってきました。帰りの飛行機は何時間経ってもロシアの上で、ロシアって本当に広いなぁと思いながらダラダラと漫画を読んでいました。フライトサービスで数週間ぶりに日本茶を飲んだ時、帰国するんだという実感がひしひしと湧いてきました。あっという間の研修でした。

街を歩くだけでも、いろいろな発見があり、日本との違いなどを多く垣間見ることができました(電柱が全くないので道がとってもスッキリしているなぁと個人的には思いました)。また、パリとブリュッセルでは人の雰囲気が全く違うのがとても印象的でした。パリの方がより都会的な雰囲気で、ブリュッセルの方がのんびりとした感じでした。時の流れを忘れながら、美味しいチョコやムール貝を食べ、綺麗な街並みを歩けるブリュッセルは是非またゆっくりと訪れたいと思える自分好みの街でした。

自身のフランス語のレベルという点では、現地の学生が学生同士で会話を始めるとほぼ理解出来ず、また、店で食事をする時も、フランス語で喋りかけても英語で返されることが多いなど、自身のフランス語の未熟さを痛感させられました。また伝えたいことも語彙が足らず詰まってしまったり、簡単な単語も発音が微妙に違くて理解されなかったりと今後の課題がはっきりとなる研修でありました。しかし研修を通して、大量に現地のフランス語を浴び、少しではありますがリスニング力の向上を実感しました。

そして何よりも、パリとブリュッセルで現地の学生達と親睦を深められたことがこの研修において一番の財産となりました。お互い始めは緊張していたのですが、やはり同年代なのかすぐに打ち解けることが出来ました。共に学生とおやつを食べながら歓談したり、ブリュッセルの街を歩いたことは一生忘れられないものとなるでしょう。今後ともこの縁を大切にしていきたいです。

二年生になってからはより深い会話ができるようフランス語に磨きをかけていきたいと思います!

以上、TLPフランス語研修でした!

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いろいろハプニングもあったようですが、無事に全員が帰国できて本当に何よりでした。今回の貴重な経験を糧に、引き続き積極的にプログラムに取り組まれることを願っています。

以上、2019年度TLPフラランス語春季研修の報告でした!

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