2023年度TLPフランス語夏季研修(パリ・アンジェ)報告(1)(8/31-9/8)
2023年度TLP夏季研修の報告を参加者の皆さんがリレー形式で書いてくれました。ぜひお読みください! (1)は8/31から9/8です。
==
研修1日目(2023/8/31-9/1)
こんにちは。TLPフランス語の平田燿陸と申します。東大でフランス語を学んで1年半たった今、プログラムの一環として夏の国際研修に参加できることを喜ばしく思います!
私が今回のブログのトップバッターを仰せつかったことは単なる偶然の産物なのですが、なんの因果か私は春のTLP研修にも参加させていただいています。そういうわけで、手始めに簡単にTLPの仕組みと国際研修の枠組みを説明させていただきたいと思います。
まずTLPについてご説明します。TLPはTriLingual Programme、すなわち日本語・英語に加えもう一言語を高度なレベルで習得するカリキュラムのことで、東大駒場の一大プログラムといっても過言ではありません。これに参画した学生たちは週5コマ×90分の第二外国語授業を受けたのち、春季・夏季休暇それぞれの期間中に1回ずつ国際研修に参加することができます。フランス語TLPの場合、春はリヨン・パリ、夏はパリ・アンジェに滞在して、現地の学生と交流したり、現地の大学併設の語学学校で集中的なクラスを受けます。
今回の夏のプログラムは、パリで3日間過ごしたのち、フランス北西部の小さな町アンジェにある西カトリック大学にて2週間、フランス語のインテンシヴコースを受けるというものです。アンジェで作った熱い思い出の開陳は続くブログの筆者たちに任せることにして、私はさっそくパリ1日目の記録をみなさまと共有したいと思います。
le 31 août
と、その前に…東京を発つ日の様子もご紹介しましょう。
18時に羽田集合を言い渡された12名の学生たちは、ガラガラバッグを引きずって、団体カウンターZの前にわらわらと集まってきました。約ひと月ぶりの再会に自然と頬の緩む一同、フィンランド航空のカウンターでムーミンのポストカードをもらってご満悦です。JTBの出発カウンターには「東京大学 フランス研修旅行」の文字が見えます。カウンター近くで屯していたところ、JTBの職員さんに一発で東京大学の学生だと見抜かれてしまいました。いったい何が我々をそう見せているのか……浮かんだ疑問符は私たちをおいて一足先に離陸して、残された私たちは荷物をチェックインし、少し値の張る空港内レストランで最後の日本食を楽しみました。私たちのチョイスはモスバーガー…モスは日本にしかないんですよ!!
今回のフライトは行きも帰りもヘルシンキ経由のフィンランド航空です。思いがけず人生最北端到達を達成する学生も少なくなく、羽田にいながらにしてもはや気分は北欧です。
le 1er septembre
満席のFinnairは13時間もの間もくもくと地球の自転に逆らって、気づけば我々はヘルシンキに……Welcome to HEL の文字が我々を迎えます(ヘルシンキ空港のコールサインはHELなのです。Hell/Enfer ではありませんよ)。
シェンゲン協定エリアに入国する際の審査は厳しく、危うく乗り換え便を逃すところでした。なんとかパスポートにハンコをついてもらった我々は空港のインターナショナルエリアで息をつく間もなく駆けてゆき、すんでのところでパリ行きのゲートにすべりこんで、ついにフランス語の聞こえてくる空間に身を投げ込んだのであります。
束の間のサーミ体験は夢のようにすぎさり(実はヘルシンキは夢で、フライトは直行便だったのかもしれません)、3時間の浪漫飛行を経た一行はあれだけ夢見たパリCDG空港についに到着しました。なかなか出てこない受託手荷物のカルーセルを見つめているうちに、神戸大学に留学していたフランス人の学生と仲良くなるなど、この旅の明るい展望が垣間見えるひとときを過ごした学生たちは、ジュリアン先生の手配したタクシーに荷物を積み込んで、ようやく動かないベッドのもとへ……と目をつむる間もなく、ホテルについて1時間後にはもう、我々はパリ散策へと繰り出していました。
ホテルのあったパリ17区はお世辞にも治安がよろしいとはいい難い地域のはずですが、実際歩いてみると再開発が進んでいて、綺麗な集合住宅が林立しておりました。パリの中核部では決してみることのできない高層デザイン建築に目をパチクリさせながら、学生の群れはエスカルゴの渦を中心に向かって驀進します。
Le Jardin du Luxembourg や La Tour Eiffel, L’Arc de triomphe, そしてあのChamps-Élysées 通りを歩き倒してもなお体力の有り余る一行は、飽き足らぬ精神をもって本日の目玉、Le musée du Louvre へと歩みを進めます。
前回のTLP研修でもルーブルを訪れたことのある私ですが、ここは何度来ても作品を見つくすことができない、なおかつ毎度毎度新鮮な歓びを目から脳へまっすぐ投げかけてくれる素晴らしい場所です。以下に何枚か、今回とくに印象に残った作品をご紹介します。ただ、解説はしません。それをしてしまえば、それはすでに作品そのものではなく、他の人間の思考というフィルターを介してみえる、靄がかった薄暗いイメージに成り代わってしまうからです。すでに写真に収めた時点で、現世に在るものとはかけ離れた現象になってしまっているわけですが、みなさまに私の得た感動を喚起した源泉と少しでも近いものをお見せするため、しばし私は口を閉ざします。
進めた歩みも二万五千の大台を突破して、疲労の色の隠せない一行はひとときの休息を求めて夕飯を急ぎます。ここで私は初のTartareをいただきました。これは生肉でつくった、なめろうのようなもので、塩っぽい風味の、夏にぴったりひんやりした料理です。一日中歩き回って発汗した分の塩分を補給したわたしは、食事を終えてこれもまた満足気な顔の仲間たちとともに、ホテルへよたよたと帰ってゆきました。
ここまで48時間近くまともに寝ない強行軍を敢行してきたわけですが、時間を忘れるほど楽しいことが盛りだくさんの2日間でした。きっと後続のブログでそれが20日間にわたっての僥倖であったということが、よくわかることでしょう。さて私は明日に備えて寝ます。みなさんも目の使い過ぎには気を付けて、お早めにお休みくださいませ。あなた自身の目でパリの空を拝むために!
◎フランスへ旅行されるみなさまへのアドバイス:
今回の研修は、不幸にも記録的円安の時期にぶつかってしまったため、全体的に予算のかさむ旅となりました。
フランスではほぼすべての場面でクレジットカードが使えます。ただ、あなたの口座が円預金口座のみに結びついている場合、支払いの度になかなかの割合の為替手数料を上乗せして請求されますし、円安が進んでいる瞬間に買い物をしなければならなくなったとき、とんでもない損をした気分になります。
そういうとき、外貨預金口座のデビットカードがあると、外貨(今回の場合ユーロ)で直接支払うことができます。こうすることで、円相場が比較的穏やかな時期にごっそりユーロを買っておけば、多少なりとも心安らかに買い物ができることでしょう。私はそれで散財しました。調子に乗って本を買いまくったため…
ソニー銀行なら円àユーロ購入時の為替手数料が安いようです(別にマージンをもらっているわけではありませんが、一応参考までに!)。
P.S. カードを一枚しか持っていないと、支払い拒否になってしまったときかなり焦るので、余裕があれば2種類あるとよいでしょう。これはあくまで予備にすぎないものなので、円口座で構わないと思います。
記録的猛暑の夏でしたが、懐にはつねに寒風吹きすさぶ9月でありました。
研修2日目(9/2)
こんにちは、研修2日目と3日目のブログを担当するTLPフランス語2年の岩切龍太です。
今回の研修のメインはやはりアンジェでの生活だったと思いますが、僕にとってパリでの3日間はそれに肩を並べるくらい印象的なものでした。パリには11歳の時に家族旅行で一度行ったことがありましたが、今回の研修では引率教員のJulienや2日目の途中からパリを案内して下さったChloéさんがお気に入り&おすすめの雑貨屋さんやアイス屋さんを紹介して下さり、一般的な旅行にはない体験をすることができました。鉄道にももちろん乗りましたが、パリ市内を徒歩で移動することが非常に多く、一般的なツアー型観光では通らないであろうパリの道や広場、公園の景色を楽しむことができました。
2日間で訪れた場所の中で、僕が最も感動したのはオルセー美術館でした。比較的規模の小さい美術館だと聞いていたので、入口をくぐった後に目の前に飛び込んできた広大なメインエントランスに驚きを隠せませんでした。昔駅舎として使われていたとのことで、館内の至るところにその遺構と思しき箇所がいくつかありました。下の写真のメインエントランスもその一つで、アーチ状の天井や大時計が当時の風景を思い起こさせてくれます。土曜日だったせいか、館内は非常に多くの観光客でにぎわっており、日本人観光客らしき人たちの姿もちらほら見られました。
まずは一番最初にどうしても見たかった印象派の展示を見に、5階に向かいました。エスカレーターを降りた後の空間は、巨大な時計台の内部のようになっていて、時計盤の向こうからセーヌ川の河畔やモン・マルトルの景色が一望できました。
※以下に紹介する絵画・彫刻を写真に収めるのを忘れてしまいました…気になる方はネットで題名などを調べてみてください
5階の展示で最も印象的だったのは、印象派の2台巨匠マネとモネが描いた「草上の昼食(Le Déjeuner sur l’herbe)」が対のように向き合って並べられている展示室でした。先輩であるマネの影響を受けモネが同じ題で作品を描いたとされているようですが、似ても似つかぬ2作品のように思いました。マネの作品は、周りの木々と人物との間で不自然なまでに明暗のコントラストを生み出しています。また、奥にいる女性と手前の3人との関係性もはっきりしません。4人はこの森に一緒にピクニックをしにきたのでしょうか?左下には、果物やパンがバスケットからこぼれ落ちて草の上に転がっています。ものすごく細かいことですが、この人たちは今から食べる物が地面に落ちていても気にならないのでしょうか??周りには脱ぎ捨てた服や麦わら帽子なども散らばっていますが、どこか不自然な感じもします。この画の左下の隅で、まるで静物画のように、物体が意図的に配置されているかのようです。何より、中央にいる裸の女性が気になります。なぜ森の中で裸でいるのか?体の向きから男性たちの会話に参加しているように見えるのに、なぜ視線をこちらに向けているのか?女性の表情もどこかミステリアスで、見る人をその場に釘付けにしてしまうような魅力を感じました。マネの作品は、細部に注目すればする程、謎が深まっていくかのようです。個人的には、絵画全体の違和感から軽い不快感を抱く瞬間もありましたし、一方でその違和感が好奇心をもたらす瞬間もありました。裸の女性と2人の男性との示唆的な関係性は、森閑とした周りの雰囲気とは不釣り合いな印象を受けます。この作品から社会的なメッセージ性を感じ取ることもできますし、森の中で余暇を楽しむ人々の喜びを感じ取ることもできます。このマネの「草上の昼食」は、次に述べるモネの作品の時のように心が動かされるような深い感動は無かった一方で、作品全体がもたらす違和感が思考を刺激し、長い間眺めていられるような魅力を持っていました。
その一方で、モネの作品は、個人的な感想ですが、人間と自然が調和しているかのように感じました。より正確に言うならば、木々の隙間から差し込む温かい日ざしに、人間たちが包み込まれているような印象を受けました。メッセージ性に富んだマネの作品と異なり、純粋に自然の中でピクニックを楽しむ人々の幸せを感じ取ることができました。頭上の木々の隙間から人々の肩や背中、そして草の上に敷いたピクニックシートの上に降り注ぐ温かい春の日差しは、まさに幸福を象徴しています。人々の視線や表情も不自然なところはなく、隣にいる人に話しかけている様子が見て取れますし、正面に座っている人に声をかけているのだろうと推察できるシーンもあります。何よりも気に入ったのは、中央部分に座る白いドレスの女性の描写でした。画面外の右の方にいるのであろう人物に視線を向け、微笑を浮かべながら左手でお皿を差し出しているところを描いていますが、ピクニックのワンシーンとしてはごく自然な動作のように感じました。マネの作品中の裸の女性とはまさに対照的といえるでしょう。この女性がとる日常的な動作が、僕の過去のピクニックの記憶を媒介として、僕を絵画の中の世界へと誘ってくれます。作品中に登場するどの人物もこちらに目を向けていないのも気に入ったポイントの一つでした。まるで、自分がこの絵画で描かれているような森の中を一人で歩いていたら、少し離れたところにピクニックをしている人々の姿を見つけたような気分になれました。絵画全体の調和的・日常的な印象のおかげで、絵画の世界の中に没入することができたわけです。
オルセーには主に印象派の風景画を楽しみに訪れたわけですが、パリが世界に誇る美術館だけあって、「こんなところにこの作品があるのか!」という発見が何度かありました。ドガの人形もその一つで、落ち着いた印象派の展示室の中で、一つだけ異様な雰囲気をまとっていただけに、すぐに有名なドガの作品であることがわかりました。バレリーナ少女の作品を数多く描いたドガですが、彼の人生の中で彫刻作品はこれ一つとのことでした。立派な成人男性がバレリーナ姿の少女の彫刻を作ったと聞くと、それだけで身の毛がよだつような気がしますが、彫刻を間近で見ると少女の痩せた体型までがリアルに表現されており、思わず顔をしかめたくなるような作品でした。解説を読むと、身に付けている衣装や髪の毛まで本物を使ったとのことでした。変態的なこだわりと言わざるを得ませんが、リアルをどこまでも追い求めるその姿勢にある種の尊敬すら感じました。作者の完璧主義的な性格を写し出すこの蝋人形は、図らずとも、前述の「草上の昼食」2作品に次いで気に入った作品となりました。
14時ごろにオルセー美術館を出発すると、今度はChamps de Mars公園へ。エッフェル塔を背景にみんなで記念撮影をしました。この日は最高気温が33度近くあり、歩いているだけで汗ばんでくるような真夏日でしたが、公園には観光客だけでなく現地人らしき人々もいて、芝生の上で寝転がり、読書や睡眠など思い思いの休日を過ごしていました。
その後はシテ島のノートルダム大聖堂へ。2019年の大火災の影響で工事中だったため、残念ながら中に入ることは叶わず。ファサードのみ一部再建されており、正面から威厳ある本来の姿を写真に収めることができました!
夕食はピカソ美術館近くのPage 35というお店で食べました。19時ごろになると、店内は現地の人たちでにぎわうようになりました。休日の夕方は、パリジャン・パリジェンヌたちも家族や親族と一緒に外食をするようです。気温もだいぶ涼しくなり、穏やかでゆっくりとした時間が流れていました。僕は、poulet en colèreという料理を注文しました。直訳すると「不機嫌な鶏」という意味です。不思議な名前ですが、料理が運ばれてきた時にその由来がなんとなくわかったような気がしました。
夕食に食べたpoulet en colère。チキンをひまわりの種と一緒に揚げている。
夜にはアクシデントが発生。ホテルのシャワーからお湯が出なくなってしまいました。ホテルの管理人によれば、パリの町全域で温水機能が止まっており、月曜まで直らないとのこと。土日は水道局の人たちも働いていないためなのでしょうが、パリ住民の人たちはこんな事態にも慣れっこなのでしょうか??結局、教員のJulienも含め全員が冷水を浴びることになりました。悲鳴を上げそうになりながらも、頭だけ浴槽に突っ込んで髪を洗うなど各々の対策法を編み出していました。僕は、ブログ1日目担当の燿陸と同室でしたが、僕が彼のシャワーを待っている間、浴室からは不気味な笑い声が…。冷水は人の本性を暴き出してしまうのでしょうか…
研修3日目(9/3)
まずはこの日の目玉であるPalais Garnier(通称オペラ座)へ。オーディオガイドで建物についての色々な解説を聞くことができました。中でも印象的だったのはメインの観客席の天井画でした。5色に分けられた画の中には、凱旋門やエッフェル塔が描かれ、現代的なアートの様相を呈していました。19世紀の豪華絢爛な建造物の中で20世紀の前衛的な芸術がひときわ異彩を放っていました。伝統的な建築物に20世紀のアートは調和しないと否定的な意見がありそうだと感じた一方で、個人的には、シャガールの画はガルニエ宮の様式
に良く親和しているように感じました。歴史的な様式を保存しつつ、現代的な諸要素を各所に取り入れる方向性は、パリという町全体のあり方を象徴しているように思います。
お昼にはパリの百貨店であるギャラリーラファイエットへ。東京の百貨店とは一味違ったオシャレな雰囲気が漂っていました。
屋上からはパリの町が一望できました。
午後にはサン・マルタン運河の周辺を散策しました。この日も良く晴れていて、犬を連れて散歩する人や、サイクリングをする人が多く、近くの公園ではパリの若者たちが水着を着て日光浴をしていました。まさにパリの日曜日の午後といった穏やかでゆっくりとした時間が流れていました。
その後はモンマルトル地区へ。パリの一大観光地ということもあり、多くの観光客でごったがえしていました。長い階段を登っていくと、白い寺院が見えてきました。小高い丘のような地形になっていて、ここでもパリの景色を一望することができました。
9月2日と3日は、非常に充実した二日間でした。早くアンジェに行ってホームステイをしたい!と心がはやる気持ちもありましたが、ヨーロッパ最大の観光都市で濃密な体験をすることができたと思います。一度パリに行ったことがある人にも、ぜひおすすめしたいイベントです。引率教員や周りのTLP生たちから刺激を受け、また新しい発見があることでしょう。
研修4日目(9/4)
4日目と5日目のブログを担当するのは、文科一類二年の清野孝弥です。 3日間のパリ観光を終えた私たちは、朝の8時にはホテルのロビーで集合して、TGVを乗るために、La Gare Montparnasseへ向かいました。
TGVは日本でいうところの新幹線のようなもので、パリから郊外に向かう際によく使われる交通手段だそうです。ただ、とても「フランスらしさ」を感じたのは、私たちが乗る予定だったTGVが、15分くらい遅延するアナウンスが流れたときに、私たちの引率をしてくださっていたジュリアンがフランスの電車は遅れるのが当たり前だよと言っていたことでした。
早速TGVに乗った私たちは、連日の疲労のせいか、フランスの田園風景を見るのも忘れて、すぐに眠りについていました。TGVはLa gare Angers Saint-Laudに最終的には20分くらい遅れて到着しました。 私たちは、ホストファミリーと駅で待ち合わせしていたので、期待や緊張が入り混じったAngers到着になりました。1日目から3日目までのパリ観光とは異なり、ここからは研修に参加したメンバー十二人十二色のAngers研修です!
ここからは、私のホストファミリーでのストーリーを紹介します! 私のホストファミリーは、元ドイツ語教師のマダムです。彼女の3人娘はリヨンとギニアで働いているため、普段は1人で住んでいると教えてくれました。実は、彼女は昨年もフランス語TLP生をホストファミリーとして受け入れていたので、日本の文化についても少し知ってくれているようでした。食事のときは、いつも《Bon appétit》の代わりに「いただきます」と言ってくれていました。
さて、初日は、駅から家に直接向かうのではなく、「Angersに慣れてほしい」とのことで、Angersの市街地を車で丁寧に案内してくれました。初めてLe château d’Angersを見たときは、教科書に載っているような中世ヨーロッパの城壁が、目の前にあることがとても衝撃的で、景観よく当時の面影が保全されていることに、感銘を受けました。Le château d’Angersに続く道から少し奥へ進むと、Angers北部を一望できる高台があり、Angers市街地を風景を堪能することが出来ました。
車での観光を終えた後に、私たちは家に到着し、昼食を一緒に食べました。彼女は、とても料理が上手で、Angersのspécialité を毎日のようにおごちそうしてくれました。 当初は、初日だからこの後は休憩かなと思いこんでいましたが、彼女はとてもénergétique で、「今日は、偶然ロワール川の文化の発展と継承を祈願して、伝統的な小舟がロワール川のお祭りのために、ナントからやってくるから、もし元気だったらLa Loireの川沿いをサイクリングしようよ」と誘ってくれたので、昼食をとって一休みしたのちに、ホストマザーと一緒にサイクリングをしました。最初は船を探すために、少しロワール川沿いをサイクリングする予定でしたが、全く船が来る様子がなかったため、そのまま船を探してロワール川の上流へと上っていきました。そしてなんと、気づいた時には50km以上サイクリングしていました笑
サイクリングが終わった後は、今年初めて開催されるというロワール川のお祭りに参加しました!お祭りでは、Pont de céの人たちが歌を歌いながら、ロワール川を流れる船を鑑賞していました。たまたまお祭り中に出会った近所のおじいさんは、私のためにリモナードを用意してくれたり、Pont de céの歴史を教えてくれたりするなど、早速1日目からPont de céの人々の温かさを感じました!
お祭りの後は、サイクリングをしながら帰宅し、夕食をホストマザーを一緒に食べました。夕食で会話をしている中で、彼女が英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語を話すことができることや、普段は水泳とサイクリングをして体を鍛えていることなどを知りましたが、そのとてつもないエネルギッシュさにとても1日目から圧倒されました笑
研修5日目(9/5)
今日からいよいよUCO(Université Catholique de l’Ouest)での授業の開始です! ホストマザーが1日目の授業ではプレイスメントテストがあるから、心の準備をしておいた方がいいよと教えてくれたので、覚悟はしていましたが、大学に着くや否や、大学の授業や施設についてのオリエンテーションが終わった後は120問の試験が待っていました。Compréhension orale, Compréhension écrite et Expression oraleなど多岐にわたる問題が出題され、難しい問題も中には含まれていました。 ちなみにテスト中に、mettre des bouchées doublesというイディオムに出会いました。 興味がある方は、意味を調べてみてください! プレイスメントテストが終わった後は、学生たちみんなで食堂で昼食を取りました。今回のプログラムに参加している人の多くは、日本や韓国、中国などの東アジア出身で、日本についても渡航経験のある人が多かったため、フランス語で会話しながらも、日本のローカルトークが通じてしまうことが面白かったです。昼食の後は、学生たちとUCOのチューターの人たちでAngersの市街地観光に行きました。
観光といいながらも、目的はAngers の土地勘を身につけることだったので、謎解き形式でAngersの観光スポットを巡りながら、写真をみんなで沢山取りました。 途中、UCOのチューターの人たちを見失って、みんなで迷子になるなどのハプニングもありましたが、様々な観光地を満喫することが出来ました。
UCOの授業が終わった後は、Irigoというバス会社のオフィスへ行き、Angersのバスの定期券を購入しました。Irigoの前には、長蛇の列が出来ていて、全く順番が来なかったので、なぜなのか不思議に思っていましたが、UCOのチューターの人によると、定期券を買うために留学生が沢山Irigoに行くから、受付でフランス語でのコミュニケーションがうまく取れないことが多くて、受付に時間がかかっているとのことでした。やっぱり、フランス語を事前に勉強して、現地で使える状態にしておくことって大事なんだということを痛感しました。 Irigoで定期券を購入した後は、早家の方面が同じだったchisatoと一緒にバスに乗って、家に帰ろうとしたのですが、早速バスの乗る方面を間違えてしまい、Angersの北部にまで連れて行かれてしまいました。その後、バスを乗り直して、家へ向かいましたが、どうやらchisatoはホストファミリーと一緒に暮らしている留学生の人と一緒に家に帰っていたから、家の場所を正確に覚えていなかったようで、最寄りのバス停に着いた後は、一緒にchisatoのホストファミリー宅探しをしました。幸い、そんなに時間もかからずに家に着くことが出来たので、とても安心しました、chisatoのホストファミリーは、家に到着した時にとても温かく迎えてくれました。このことをきっかけに後日、chisatoのホストファミリーとは、夕食を取ったり、街のお祭りへ一緒に出かけたりするなど、とても親交が深くなりました。
研修6日目(9/6)
Bonjour! 9/6(水)のブログを担当させていただきます、教養学部理科一類の石堀朝陽と申します。
今日は大学で初めて授業を受ける日だったので、多少の緊張と大いなる期待を胸に校舎(Palais(宮殿)という名前がついています)へと向かいました。
到着すると、予告通り前日のクラス分けテストの結果が掲示されていました。東大TLPの生徒は全員CEFRにおけるB1、B2いずれかのクラスに配属されていました。私のクラスには、日本人の他にアメリカ、ペルーからいらした方もおり、いろんな話が聞けることを楽しみに教室へと向かいました。
教室へ着くと、まずは教科書と時間割が配布されました。オリエンテーションでも少し紹介があったのですが、フランスの文化や歴史を学べるCivilisationと言う授業が時間割にあり、期待が高まりました。
次に、オリエンテーションがてらライティングを行いました。テーマは「フランス語を学んだきっかけ、現在地、目標など」だったのですが、「フランス語宛に手紙書く」と言う奇妙な設定だったために、ラブレターのような感じになってしまいました。(文法への文句はしっかり添えたので、盲目な恋はしていないと思います…)
その後、食堂にて昼ごはんを食べました。本日のメニューはクスクスと鶏肉でした。モニターの方も同席するので、これもフランス語を使う良い機会になっていたように思います。
午後に入ると、Production Orale(口頭表現・会話)の授業がありました。ここではまず、大きなサイコロを投げ合いながら質問をして、お互いのことをよく知るアクティビティを行い、次にQuick Datingという名のもと、友人・恋人に求める条件について話しました。ここでアメリカの方から伺った話なのですが、どうやらアメリカの理系大学生は外国語を一つも学ばずに卒業できてしまうようです。彼はそのことや背景にある英語至上主義に対して憤りを覚えているようでしたが、私も同感で、言語を学ぶと言う経験、またその楽しさを味わわずに人生を終えてしまうのはなんともったいないことだろうと思わずにはいられませんでした。
本日最後の授業はLangue(言語)というものでした。これはフランス語の文法や語彙を総合的に学ぶ授業で、東大のTLPの授業と少し似ているように感じました。語彙のレベルが想定よりだいぶ高く、1つの記事の中に5,6個知らない単語や表現があったので、まだまだ精進しないといけないなぁ、と痛感させられました。
放課後は、Ryosukeと街中を散歩しました。
まず、バスの1ヶ月チケットを購入しました。アンジェの主な公共交通機関はバスとトラム(路面電車のようなもの)なのですが、これらが全て乗り放題になる優れものです。その場で名前・写真付きで、ケースに入って提供されたので、良い記念品になりました。
その後は、両者のホストマザーからの助言も参考にしながら本屋巡りをしました。
Angersにはそれなりの規模の本屋が複数あると聞いて期待して向かったのですが、二人のニーズにあったものはあまり見つからず、少しがっかりしました。
(後日、別の本屋にてかの偉大な数学者Grothendieck先生の自伝« Récoltes et Semailles »を入手することができました。大満足!)
Angersにある本屋たち。別の日の開店前に撮ったので閑散としていますが、平日夕方などは大盛況です。
街を歩き回って疲れたところで帰宅。ここで毎日私に癒しを与えてくれたのがホストマザーの料理です。近所では「(ホストマザーのお名前) レストラン」として親しまれているようでしたが、評判通りの味でした。
その中でも、本日作って頂いたBoudin Blancと言う料理は、私のいちばんのお気に入りでした。名前にもあるように、これはフランスの白いソーセージなのですが、外はパリッと(カリッと?)、中はジューシーで、やみつきの味でした。
左がBoudin Blanc。右の黒い方はBoudin Noirで、こちらは外側がよりカリカリしているように感じました。どちらも、ジャガイモ、小さな人参、りんごなどが添えられています。
さて、ホストマザーにブログを書くことを伝えたところ、「庭の紹介をしていいよ!」と言われたので、写真で少しお見せしたいと思います。
左: Bougainvillea(ブーゲンビリア)。大きいですね。
中: Grenade。ザクロの一種のようです。名前の通り、確かに手榴弾にそっくりです。
右: Rose(バラ)。美しい色です。
これからもAngersでの楽しい日々は続きますが、本日はこの辺りで。Bonne nuit!
研修7日目(9/7)
Enchanté! 9月7日の研修の記録を担当いたします、理科3類2年の二橋亮輔です。この日は午前中に4時間授業があり、午後は授業がありませんでした。
午前中の授業は、1、2時間目が「Langue」という教科書のテキストを精読する授業、3時間目が「Civilisation」というフランスの地理や文化について学ぶ授業、4時間目が「Expression orale」という会話の授業でした。授業は8時半開始でしたので、朝ホストマザーが用意してくださったchaud chocolat (ホットチョコレートのことです)とパンで精気を養い、通勤や通学の人でいっぱいのバスに揺られて大学に向かいました。
→chaud chocolat
さて、「Langue」の授業では、まず前日からの続きで詩の読解を行いました。押韻やacrostiche (句の初めの語を繋げると単語が浮かび上がる技法のことです)が駆使されつつ、鮮明な情景や感情を想起させる高度な詩を読むのは大変でしたが、興味のそそられる授業でした。その後は、Charleroiという、かつて鉱業で栄えていたものの一度衰退し、その後再興した都市についての文章の読解と動画の視聴を行いました。動画では、ベルギー人の強いアクセントの入ったフランス語が話され、理解するのに大変な苦労を要しました。1年半フランス語を自分なりにかなり勉強してきて、さらにここまでの研修も通してリスニングに対して手ごたえをつかんでいただけに、自分の至らなさを痛感し、絶望しかけました…。
次の「Civilisation」の授業では、フランスやその周辺の河川や山脈、農業地帯について学びました。僕は高校時代地理も世界史も選択していなかったので、大いに学びがありました。
最後の「Expression orale」の授業では、アンジェの町の散策ルートを考え、発表しあうことをしました。人それぞれ着眼点が異なり、なかには集合時間や昼食をとる場所、大学から配布された学生用の割引券を使う施設まで決めている人もいて、驚きました。
教室からの眺め▷ 講堂に向かう階段にいたねこ▷
授業が終わり、食堂へ向かいました。研修に来ている学生と先生方が一堂に会し、フランス語での会話がなされます。僕自身、かなり人と話すのが苦手なのですが、ここでフランス語を使わないと機会損失に陥ると思い、奮って会話に参加しました。
食事が終わり、手持ち無沙汰になり、何をしようかと考えていると、講堂のロビーに先生方が集まっているのが見えました。午前の授業でリスニングが課題であることが再度確認されたので、勉強法を聞こうと会話に割り込みました。僕のレベルに合ったフランスの新聞や動画サイトを教えてくださり、貴重な情報を手に入れられました。
そのあと、街に繰り出しました。僕はなんの当てもなく街を徘徊するのが好きなので、とりあえず川のある方向に進むことだけ決めて、歩き始めました。大聖堂を抜けて、アンジェの街を流れるLa Maine のほとりを散歩しました。心が洗われるようでした…。
散歩中に撮った写真▷
大学への帰り道、exotic fruit とlemon味のアイスを買いました。外のアイス売り場の前で指を咥えて見ていると、店内から店員さんが満面の笑みで迎えてくださり、アンジェの人の温かさに触れました。
大学に戻ってからは、任意参加のanimation があり、他の学生や先生とカードゲームで遊びました。僕はUNOと神経衰弱をしました。UNOで遊んでいた時、「あなたの番です」というフランス語が出てこず、不甲斐ない思いをしました(その後調べたところ、C’est ton tour というそうでした。)。ここでもフランス語を学ぶ機会があり、よかったです。
家に帰ると、ホストマザーが食事を作ってくださいました。鶏肉のスープと魚のフライ、そして1週間ぶりとなる米料理が出てきました。ホストマザーとは、今日の授業内容を踏まえて、詩集についての話をしたり、世界情勢の偏向報道についても議論したりしました。毎日1時間半ほど会話をしましたが、個人的にはこの時間に一番リスニングと会話のトレーニングができたと思いました。ホストマザーには、いくら感謝してもしきれません。
夕食▷
これを書いているのはまだ研修の半ばですが、もっと多くのことを吸収して帰途につくことを誓い、筆を擱かせていただきます。
研修8日目(9/8)安部正健
Bonjour, vous allez bien ?
この日は、午前中は授業、午後はMaine川のクルーズに行きました!
まずは授業から軽く振り返っていきます。
授業日3日目にして、この日に初めて受けたCompréhension Oraleの授業では、明日行くMont Saint-Michelに関するSNCF(フランス国鉄)の観光動画を見て、リスニングに挑戦しました。非常に難しかったですが、何回も聞くことで、全体をなんとなく理解することができました。翌日行く場所の紹介動画だったので、観光への期待がより増幅されました。翌日になって分かったことですが、このリスニングを聞き、スクリプトを読んでおいたことで、二つのメリットがありました。一つ目は、観光地に関する事前の知識があるので、より深い学びができるということ、もう一つは、翌日の展示の説明に出てくる特定の語彙を強化できるという点です。例えば、この動画によって英語でbishop, 日本語で司教という意味のévêqueという単語を初めて知りましたが、翌日のMont Saint-Michelの展示の説明板やパンフレットにはこの単語は頻出であったので、翌日は見つけるたびに心の中でガッツポーズをしました。
2時間目から4時間目までのCivilisationとLangueの授業に関しては、他の日と大きな違いが無かったので、深くは書きません。Langueは、この日も難しかったです。
昼ご飯を毎日のように食堂で食べて、その後大学のホールに集合しました。クルーズに向け出発です。船着き場までは歩いて行きました。Maine川の右岸の市街地にはそれまで行ったことがありませんでしたが、船着き場がそこにあったので、初めてその地区を訪れました。建物の高さが左岸に比べて低く感じられたほか、左岸よりも起伏が少ないように思いました。のちに分かったことですが、19世紀の途中までは川の中州だった場所を歩いていたのです。現在では中州と対岸の間を埋め立てて、地続きにしたようです。以前川の流れがあったが、現在では埋め立てられた場所はトラムが走る広く平らな通りになっていますが、洪水が起きた時には一番最初に沈む場所だとも、ホストグランドマザーが教えてくれました。自然の力はすごいですね。このような、地形と絡む土地空間利用の変遷は私の好きな分野なので興奮しました。すぐ下の写真が、埋め立て地にある通りです。奥の建物があるところが以前の中州、手前が川岸です。昔の川の流れが浮かび上がってきませんか?
それでは、いよいよ今日のメインイベント、Promenade en gabare、すなわちMaine川クルーズについて報告していきたいと思います。
Maine川を上流に向けて上り帰ってくる、2時間程度のクルーズでした。船の上では、友人とたくさん話すことができました。
ちゃんと船頭さんに許可をもらったので、甲板の先端部分に10人以上が乗って、よりよい景色を求めました。甲板の先端と川の景色の写真がこちらです。
この日の船には屋根が無いので帽子を持ってこいとメールが来ていたので、多くの人がこの日のために用意した帽子を付けていました。ちなみに船に屋根はありました。とはいえ暑い一日であったので、帽子も、いただいた甘い紅茶もありがたかったです。
川の中には魚は見つけることはできませんでしたが、牛や白い鳥が岸辺にいました。
なんと、帰りの行程では船頭さんが、学生にも船を操縦させてくれました。一応、橋をくぐるときは船頭さんが舵を取りましたが、それ以外の区間は学生にも舵を握らせてくれました。免許は無いのに大丈夫かとドキドキしました。自転車しか乗ったことのない私にとっては、動力のある船舶を操縦するのは当然初めてでした。舵を回すのと、船が方向を変えるのとに時間差があるので、学生が操縦すると、舵を回しすぎて船が曲がりすぎ、進行方向を修正するために逆に舵を回しすぎてまた曲がりすぎるということを繰り返し、航路はかなり蛇行していました。なにはともあれ、最後は無事に柔らかく着岸したので船頭さんのサービス精神に感謝したいと思います。
Maine川クルーズのあとは、スーパーに行きましたが、そのあと2時間程度は街中を一人で行動しました。向かった先は公園です。
Jardin des plantesという公園に初めて行ってみました。中心部からみて北東の端にあるこの公園の中には、鳥のいる池があったり、座ることのできる芝生がありました。また、最初11世紀にたてられた古いÉglise Saint-Samsonという教会もありましたが、中は倉庫として使われているようでした。しかし、石造りの建物はおしゃれではありました。下の写真がその教会です。
公園は、きれいに手入れがされていて、緑の多い街Angersの象徴のひとつだと思います。芝生には彫刻も飾られていました。また、一角には、動物の小屋があり、ウサギ、ヤギ、ニワトリが飼われていました。暑かったので、ウサギもヤギも日陰で寝そべっていました。下の写真です。小さい子たちが草を与えていましたが、さすがに19歳の私は、ひとりだったこともあり、やめておきました。
公園には老若男女がいましたが、芝生の上に座って友人どうしで話しているグループが多かったです。芝生や、池にかかる橋の上で遊んでいる子供たちもいました。私は、天気が良かったのと、夕方で少しずつ涼しくなり始めていたのもあり、素敵だろうと思い前日に買ったLe Petit Prince、星の王子様を公園の芝生に座って読みました。周りには大勢人がいるし、のどかな雰囲気ではあるので、安心して、落ち着いて読むことができました。40ページほど読んだところで耐えられないほど眠くなってきたので、読むのをやめて、帰宅することにしました。
ホストファミリー(とはいっても、77歳のおばあちゃん一人)の家は、市街地の中心から徒歩で30分くらいなので歩くこともできましたが、疲れていたこの日はバスに乗りました。バス停でたまたまTLPの友人に会ったので、翌日のエクスカーションの集合時刻が朝6 時45分、つまりまだ暗いうちであることを確認し、遅刻をしないように互いに気合を入れてから別れました。
家に着いたのは19時30分を少し超えたくらいでしたが、まだ明るかったです。日本と違い、朝は8時でも少し暗さが残るわりに、夜は21時くらいまで明るいので、ついつい遅くまで家に帰らなくても良い気がしてしまいますが、19時30分に帰宅する連絡を入れてあったので大きく遅れることが無くてよかったです。
朝・夕食は、ホストグランドマザーと二人で毎回食べていました。今日に限らず毎日、夕食のときにはかなり深い話をすることができました。宗教、気候変動、移民、フランスの政治、など、、、。このブログは9/8の報告が目的ですが、あまりにもホストグランドマザーが素敵だったので、少し紹介したいと思います。彼女は1946年生まれで、若い時はパリに住んでいたが、当時は第二次世界大戦後の混乱で大変だったそうです。自分より圧倒的に長い年月を生きた人生のドラマを伺うのはとても興味深かったです。今では、移民に寝食を提供する団体に入っていたり、環境を考えて、赤い肉を食べず飛行機に乗らないなど、自分の信条を守るかっこいい人でした。(もちろん、それを他者に強要するわけではないです)。下に、家のドアに貼ってあった若いころの彼女の写真を乗せます。「従順な女の子たちは、パラダイスに行く。そうでない子たちは、自分が行きたい場所に行く」。かっこいい!
そんな彼女と、たくさん話しながら夜ご飯を食べるので、この日も、2時間くらいかけてゆったりと食べました。日本にいるときは30分とかけないので、幸福度が上がる気がしました。また、ホストグランドマザーは、私がワインを飲んではいけない代わりにいろいろなチーズを試させてくれました。この日食べたのは、ロックフォール、コンテ、シェーブル、ゴーダでした。物珍しさはないですが、正直コンテが一番おいしかったです。
ホストグランドマザーは以前、ギリシア語、ラテン語、フランス文学の先生だったそうなので、フランス語の語源や詩の解説もしてくれました。もちろんAngersの街自体についても詳しいので、おすすめ・避けるべきレストランや、美術館も教えてくれました。この日に、Musée de la tapisserieという美術館に今度連れて行ってくれることが決まりました。
夕食の後は、解散し、私はシャワーを浴び部屋に戻りました。翌日にはMont Saint-Michel とSaint-Maloへ行くエクスカーションが控えており、先ほども書いたように集合がかなり早いので、金曜であるということも手伝い、課題はほとんどやりませんでした。唯一、朝の授業で見たMont Saint-Michelの動画はスクリプトを手元に置きながら見返して、翌日に向けて準備を行いましたが、早めに寝ました。翌日、その日にしかできない体験を最大限楽しみ、全力で自分のものにするためなので、正しい判断であるはず!
翌日の報告もぜひご覧ください!