TLPスカラシップ2016:リヨン・パリ研修報告(1/3)
この2月13日から24日にかけて、トライリンガルプログラム(TLP)の活動の一環として、「TLPスカラシップ2016:リヨン・パリ研修」が実施されました。これに参加した学生13名による報告を、このあと3回に分けて公開します。第1回の今回は、1日目から4日目までの報告です。
【追記】写真を追加しました(2017/03/07)
リヨン・パリ研修 1日目(2017/02/13)
TLPフランス語、文科2類1年の小林雅典です。今回の研修ブログの初日を担当します。基本的にこの日はほとんど移動時間に費やされたため、成田からリヨンに行き着くまでの様子について書かせていただこうと思います。
交通機関の遅れで、集合時間にやや遅れはしましたが、9時45分には全参加者が成田空港に集合し、無事飛行機に搭乗できました。
機内では各人備え付けの画面で映画を見るなどおもいおもいの過ごし方をしていましたが、司法試験の勉強をしている人がいたり、物理の論文と格闘している人がいたりして、周囲の学生の意識の高さに刺激を受けました。僕は持参した本を読んだり、『君の名は』や『シンゴジラ』といった国内で人気を博した映画を遅ればせながら鑑賞して楽しい時間を過ごしました。加えて、少しでも機内でフランス語に慣れておこうと思い、ピクサーの『ファインディング・ニモ』を字幕なしのフランス語で見ていたのですが、こちらは部分部分は聞き取れても全体として文の意味がなかなか聞いて理解できず、機内アナウンスもちんぷんかんぷんの状態で滞在中やっていけるか不安になりました。
このように聞き取りには苦労したものの、普段の講義の成果か、CAさんや手荷物検査でのフランス語の会話は冷や汗をかきながらなんとかこなすことができました。普段勉強していたフランス語がある程度通じたことには、なんとも言えない興奮を感じました。滞在中は背中を伝う冷や汗を我慢してでも積極的に人と会話し、耳と発話力を鍛えていこうと思います。
空路にてパリを経由しリヨンに到着後、タクシーを利用しホテルまで向かいました。窓から見える、リヨンの夜景はなかなか綺麗でした。その後現地時間午後10時ごろ、ホテル近くのレストランで遅めの夕食をとり、出てくる食事の多さとそれを平らげる友人の食欲に驚き、ホテルに戻って床につきました。
初日はなんとも味気ない陳腐な報告になりましたが、明日以降は様々な活動が予定され、それを他の参加者が実に面白くお伝えするでしょう。ご期待ください。
リヨン・パリ研修 2日目(2017/02/14)
こんにちは、TLPフランス語 文科3類1年 中沢早希です。研修2日目の行程は、
・リヨン第三大学のキャンパスツアー、学食の体験
・日本語専攻の大学生・大学院生と一緒にプレゼンテーションを準備し発表する
・事前に用意していたプレゼンテーションを、TLP生の一つのグループが発表する
・大学周辺の散策
・夕食
でした。
リヨン第三大学の外国語学部の教授のお話から、大学の概要や外国語学部の強み、その中でも日本語専攻は不動の人気を誇ることを知りました。幅広い選択肢のある中で、フランス語とは全く異なる日本語が積極的に選ばれていることに私は驚きました。
TLP生から大学の教授に質問をする機会があり、日本とフランスの大学制度の違いに質問が集中しました。学食は、普段使っている駒場の学食のように一品ずつ選んで会計をするものではなく、プレートとして出されているものが多かったです。
午前中はこのように日本の大学、私たちの駒場での生活とフランスの大学の違いに驚いたり、フランス語で聞きフランス語を話す、という力が試されたり、と盛りだくさんでした。
左から、引率のドリブル先生、リヨン第三大学のクレア・パタン先生、ジュリアン・ブヴァール先生 |
午後は、日本語専攻の学生と交流し、お互いに言語面でも協力しながら環境問題に関するプレゼンテーションをしました。私のグループでは、災害との関連で原子力発電をテーマに設定しました。フランス語と日本語が飛び交う不思議な時間でしたが、自分のフランス語が相手に通じた時はとても嬉しかったです。
プレゼンテーションの様子 |
合同のプレゼンテーションが終わった後、TLP 國頭さん、高橋さん、舟川さんによる、東京における公共交通機関と大気汚染の関係をテーマとするプレゼンテーションが行われました。先生からのアドバイス 通り、鉄道会社がJRと東京メトロ、都営地下鉄など複数あることなど「日本独特」なものを豆知識のように取り入れたプレゼンテーションで学生や先生の興味 を引いていました。
記念写真 |
リヨン第三大学の学生との交流が終わり、大学近くローヌ川にかかる橋を渡るなどして楽しみました。夕食は、リヨンの伝統料理でした。量が多さに驚きましたが、ソーセージがメインのメニューなど、塩味が効いていてとても美味しかったです。
研修2日目は内容の濃い1日となり、一同疲れましたが、現地の学生との交流を通してフランス語のスピーキング力を使ったり、レストランでメニューを見ながら料理の名前を覚えたり、とフランス語に浸かることができとても楽しかったです。
リヨンにいる研修3日目、4日目もみんなで助け合いながら学習できればと思っています。
リヨン・パリ研修 3日目(2017/02/15)
理科二類一年の佐々木舞雪です。今日は研修旅行3日目についてのレポートとなります。
本日は観光メインの日で、一日中歩き回りました。
午前中はリヨンの街並みを見ながら教会を2つほど回りました。
1つ目はリヨンの街並みの中に佇んでいて、もう1つは遠くから見るとお城のように見える綺麗なところでした。2つ目の Notre-dame de fourvière は実際には急な坂の上にあったため、たどり着く頃にはみんなヘトヘトになっていましたが、行ってみるだけの価値はあったと思います。どちらの教会でも歴史のある建物の荘厳さを感じられたり、ステンドグラスがとても美しかったりできました。
街中の教会では星をベースに作られた古い時計、坂の上の教会では細かいモザイクアートも見ることができました。教会内での空気の神聖さや静けさを感じ、信者ではない私も気が引き締まるとともに、日本ではほぼ見ることのない歴史のある外観や内装を見て感動しました。また、その後は近くにあった半円形の外の劇場の遺跡を見てみたりその周りで遊んだりしてかなり盛り上がっていました。
教会を回った後は近くのお菓子屋さんに入りました。昨日も今日もずっと思っているのですが、リヨンのお菓子屋さんはカ ラフルで可愛いところが多く、見ているだけでも本当に楽しいです。甘いものが大好きな私にとっては本当に夢のようなところです(笑)。私は今日は塩キャラメルのマカロンを買いましたが、他にもプラリネやすみれのモチーフのキャンディの小瓶を買っている人もいました。
観光しているとなかなか周りの同じTLPの生徒と日本語で話してしまいますが、このようにお店で買い物をするときは自分のフランス語に頼らざるを得ないので、今までの努力の意味を感じられる反面、やはりまだ自分は未熟であると思い知らされます。普段話し慣れている先生方と話すのと、現地で初対面の方々とフランス語で話すのはやはり普段先生の話は聞き慣れている分、だいぶ違うんだなと思います。早く躊躇なくフランス語を使えるようになりたいとは思いますが。
お昼ご飯をみんなでカフェのようなお店で食べ、午後には主に美術館を回りました。布の美術館と家具の美術館でしたがどれも凝った作りで、おそらく手縫いで作られているだろう刺繍やタペストリーは本当に素晴らしくていつまでも見ていられるものでした。家具の方も細かい細工であったり、部屋の醸し出す雰囲気であったりがやはり日本とは全然違ってとても新鮮でした。ドリブル先生と一緒に見ていると、フランス語の解説を日本語で説明してくれて、新しい知識を得られるとともに自分の語彙力の低さにも気づきました(笑)。(なかなか日常で使わない言葉はやはりまだあまりわからないです。)
その後は先生から自由時間をいただいて、私は一緒に来ている人のうち3人とリヨンの街中を(目的もなく)散歩しました。途中の道でパン屋さんに入ってマドレーヌを買ってみんなで食べたり、道沿いにある面白そうなお店を適当に覗いてみたり、自由な時間を過ごしました。終わりの方にはみんな疲れ切ってベンチに座っている時間が長かったような気もしますが、楽しく時間を過ごすことができたと思います。他の人たちは、お土産を買ったり、観覧車に乗ったり、スーパーで買い物をしていたりそれぞれ楽しんでいたのではないかと思います。
今日は比較的歩く距離も長くて大変ではありましたが、リヨンを満喫できたと思います。
リヨン・パリ研修 4日目(2017/02/16)
2月16日分を担当する理科I類の染谷です。研修旅行4日目、リヨンの最終日は、まず Centre de Tri というゴミの分別を行なっている施設を見学しました。
施設の広報担当の方から施設の構造や、フランスにおけるゴミの問題について、もちろん「全てフランス語」で、説明を受けました。比較的聞き取りやすい話し方で話していただけたのですが、専門用語が多く、なかなか全てを理解することは困難でした。ですが、家庭レベルでの分別の重要性を痛感させられました。
昼食はリヨン第三大学のクレア教授のママ友の日本人女性が店主を務めるカフェでトマトカレーをいただきました。パン食ばかりで、そろそろお米が恋しくなっていたので、カレーライスにはみんな大喜びでした。また、店主の方はとても良い人で、会話も弾み、とてもリラックスできました。またリヨンを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄りたいお店になりました。
昼食を終え、Musée des Confluences という美術館を見学しました。外観がとても綺麗でした。展示物も様々で、どれも興味深いものでした。
この日は、地下鉄、バス、路面電車と、交通機関を駆使して移動距離のとても長い1日でした。フランスでは、切符が時間制になっていて、1時間の間なら、地下鉄、バス、路面電車と種類を問わず、どこまで乗っても同じ切符が使えるという仕組みになっていました。そのため、日本と違って改札が入口のみ切符を通すという形式になっていたのも面白かったです。
その見た目からアコーディオンバスと呼ばれるバスの写真です。この連結部分は揺れがすごく、酔ってしまう人もいて大変でした。
今回の研修旅行でリヨンを訪れるまでは、フランスといえばパリというイメージが強かったのですが、パリとは違って観光客も観光客向けの店も少なく、現地の人々とフランス語で触れ合い、フランスを肌で感じることができ、とても良い経験になりました。
第2回は5日目から8日目までです。公開は3月6日を予定しています。こちらをご覧ください。