2018年度TLP春季フランス研修(2019年2月)@パリ-リヨン(1/3)
去る2月4日から14日にかけて、フランスのパリとリヨンで2018年度TLP春季フランス研修が行われました。その模様を3回に分けて学生のレポートでお伝えします。
研修 1日目(2019/02/04)
こんにちは、文科一類の渡邉花音です。今回の研修のブログの初日を担当させていただきます。
この日はついに出発の日!
朝は早かったですが全員無事に成田に着きチェックインを済ませ、10:40 の飛行機に乗りました。飛行機の中ではそれぞれが思い思いに時間を過ごしていました。4本や5本もの映画を鑑賞していた人もいれば、音楽を聞いたり、テトリスをやったりしている人もいました。私は翌日の ANSES という、日本でいうと環境庁と厚生労働省が一緒になったような省庁でのプレゼンのための原稿を少し見返し、ボヘミアンラプソディーを観た以外は日頃の睡眠不足を解消すべく、たっぷり寝ました。
そしてエールフランスの機内食がとても美味しかったです。お昼ご飯には牛肉のデミグラスソース煮込み、チーズ、そしてパリ・ブレストというシュークリームのようなお菓子を食べました。夜ご飯にはクリームソースのペンネパスタとパッションフルーツのムースが出てきました。また、食後の飲み物にホットチョコレートが出てきたのがヨーロッパらしかったです。キャビンアテンダントの方にフランス語で食事や飲み物を頼むなどして、飛行機の中から実践的にフランス語を使うことができて嬉しかったです。
そして、フランス時間の15時過ぎにシャルルドゴール空港に着きました。入国審査がかなり緩めで驚きましたが 「Paris vous aime」 の看板に迎えられ、フランスに来たんだな、と実感しました。
そこから、宿泊先の FIAP という施設に向かうために RER という電車の切符を買いました。買い方がよく分からず少し緊張しながら購入しました。そして電車へ。フランスの電車は日本と違い、手動でドアを開けなくてはいけなかった点が驚きでした。そこから40分ほど電車に乗り、田園風景から石造りの建物が多く見られるようになった辺りで電車を降りました。小雨が降っていて天気は曇りでしたが、少し霧がかかった街並みが厳かな雰囲気を醸し出していてとても素敵でした。10分ほど歩いたところで FIAP に到着しました。とてもカラフルな内装で可愛らしい感じのところです。施設の説明を聞き終えたあとで、近くのスーパーに全員で行きました。日本では見たことのないお菓子や食材が売っていて見ているだけで楽しかったです。その後 FIAP に戻り、夕食を取りました。私は、フランス料理の定番の steak-frites とチーズとエクレアを選びました。とにかくポテトの量が多くて食べきれませんでしたが、ステーキは美味しかったです。
時差ボケと旅疲れもあり、この日は早々にお風呂に入り次の日に備えて9時半頃には寝ました。
私たちの具体的な研修内容については明日のブログからよりたくさん見られると思うのでどうぞお楽しみに!
研修 2日目(2019/02/05)
Bonjour ! 2月5日、研修2日目の様子は染谷がお伝えします!
研修二日目の日程は、
・ENS( École Normale Supérieure )を訪れる。 ・昼食 ・ANSES(Agence nationale de sécurité sanitaire de l’alimentation, de l’environnement et du travail)を訪れ、TLP学生によるプレゼンを行う。 ・凱旋門を訪れる。 |
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になります。
それでは、1日の流れを詳しくお伝えしていきます!
まずは、8:30にホテルのロビーで集合し、徒歩にてENSに向かいました。徒歩と聞いて、僕は15分ぐらいかなと思っていたのですが、(記憶が正しければ)40分ほどかかってやっとENSに到着しました。普段あまり歩き慣れていないので、少し疲れました。研修中毎日これ以上歩くことになるとは、この時はつゆ知らなかったわけですが、毎日長い距離を歩いてフランスの街を見て回ったのは、今では良い思い出です。
ちょっと話が逸れましたが、ENSでは、世界の様々なライブラリにある、電子化された芸術や言語テキストなどのデータベースを研究者が共有し、それを共に研究していくための方法を模索していくワークショップにお邪魔して、このテーマに関する二つの英語でのプレゼンを聞きました。規模は大きくはなかったものの、実際の技術者(研究者)のプレゼンを聞く機会は今まであまりなかったので、非常に面白かったです。
ENSへの訪問が終わった後は、またフランスの街を散策しながら昼食を食べるお店まで向かったのてすが、道中でちょっときになるものに出会いました。
それは、ポストです。ああ、あの赤いやつがどうしたのか、と思ったそこのあなた!違います!フランスでは、ポストや郵便局は黄色なのです。理由については諸説ありますが、神聖ローマ帝国皇帝のマクシミリアム1世が現在の郵便のシステムを作らせた際に、彼の出身であるハプスブルク家の家紋の基調である黄色と黒をポストにも適用したのが始まりとも言われています。何気なく街を歩くだけで、日本との違いやフランスの歴史について学べることが非常に興味深かったです。
さて、そうこうしているうちに昼食を食べるお店に着きました。大通りの一角にある Au petit caporal というお店です。フランスの bistrot で注文するのは、もちろん初めてでしたので少し緊張もありましたが、僕は paleron(肩,腕肉)をじっくり煮込んだpaleron du bœuf という料理をいただきました。
昼食後はANSESへと移動し、ANSESの活動内容の紹介をしていただいたり、衣類や服に付着する化学物質の有害性についてのプレゼンをしていただきました。
またその後には、我々TLPの学生のうち3人が、日本における衣類繊維によるアレルギーについてのプレゼンをさせていただきました。
さて、ANSESへの訪問を終えた一行は凱旋門へと向かいました。通常は凱旋門の直下に行くのには料金がかかるのですが、この日はストライキにより従業員がいなかったために、無料で凱旋門直下まで行くことができました!無料で入れたことも幸運でしたが、実際にストライキが起きていることを体感できたので面白かったです。
その後は凱旋門方面から、日が落ちた後のシャンゼリゼ通りを歩いて通り抜けた後 métro (地下鉄)で宿舎へと戻りました。この夜のシャンゼリゼ通りは非常に美しく、またパリに来たことを実感させてくれるものでした!!
以上、研修2日目の様子をお伝えさせていただきました。最後までお付き合いいただきありがとうございました!
3日目以降のブログもぜひお楽しみください!
研修 3日目(2019/02/06)
こんにちは、2月6日のブログ担当の文科三類1年、伊沢夏子です。
朝はまず、サクレ・クール寺院に行きました。寺院はモンマルトルの丘の上にあるので、急な階段を登らなければならず大変でした。登りきった後は息切れ気味で日頃の運動不足を実感しました…
あいにく天気が曇りだったので、あまり遠くまでは見られませんでしたが、晴れた日にはパリの街が遠くまで見渡せるそうです。また、寺院の前のフェンスには南京錠がたくさんかかっていました。これはもともと恋人どうしが永遠の愛を誓ってセーヌ川の橋にかけていたものの影響をうけています。あまりに多くの人が橋に南京錠をかけたため問題になり、現在では禁止されているため、代わりにサクレ・クール寺院の前にかける恋人たちがいるそうです。寺院の中は撮影禁止なので写真はありませんが、ステンドグラスがとてもきれいで荘厳な様子でした。寺院を見学した後は周辺を散策しながら昼食のレストランに向かいました。
お昼はモロッコ料理のクスクスやタジンを食べました。フランス人にとってのクスクスやタジンは日本人にとってのカレーのようなもので、モロッコ料理は広く親しまれているそうです。一緒にミントティーもいただきました。お店の方が高い位置からお茶をカップに注ぐ様子が特徴的です。日本のお茶のイメージとはちがい、甘くて不思議な味でした。
午後は Sciences Po を訪問しました。Sciences Po は社会科学系の学校ですが、建物に入るのに荷物チェックがあり、少し驚きました。Sciences Po だけでなく、フランスは日本と比べて全体的にセキュリティーが厳しい印象をうけました。
Sciences Po には素敵な中庭があり、そこで集合写真をとりました。
その後、向かいに建っている図書館を見学しました。図書館の地下では、貸し出し申請をうけた本がどのように運ばれるか見せていただきました。普段見ることがない図書館の裏側を見られて興味深かったです。その後、学生たちが自習に使う部屋などを見学しました。たくさんの真剣な様子の学生たちがいて、緊張感のある空間でした。ここで偶然日本人の留学生の方と遭遇しました。
図書館を見学して建物を出ると、不思議なことに図書館の入り口の向かいに出ました。実は図書館は地下で他の建物と繋がっていて、地下を見学している間に最初に入った建物の向かいの建物に移動していたようです。
図書館見学の後は室内で Sciences Po の方から Sciences Po での学習の特徴やパリでの暮らしについてうかがいました。先ほど図書館でお会いした日本人留学生の方お2人も飛び入り参加で興味深いお話がきけました。Sciences Po の教育の大きな特徴の一つに言語教育に力を入れている点があるそうです。フランス語はもちろん、他にも学べる種類が多く、質も高い授業が行われている上、世界各国から学生が集まっているので会話の練習相手にも困らないそう。練習相手を見つけてくれるサービスもあるそうです。そのため、フランス語に自信がない人もそれを理由に Sciences Po で学ぶことを諦めず、挑戦してほしいということでした。私もTLPの授業をとるか決めるときに、大変そうだとか、自分にできるだろうかとか、色々な不安がありましたが、機会が与えられたのだから挑戦してみようと思い、TLPの受講を決めました。確かに少し大変でしたが、今では TLP をとって本当によかったと思っています。
Sciences Po のあとは Fnac という本屋に行きました。Fnac では本の他にも家電や調理器具、CD なども売っていました。私はここで絵本を購入しました。かわいい絵と心あたたまるストーリーが購入の決め手です。
1日の終わりににハプニングが発生しました。
Fnac での集合時間を過ぎても1人現れない学生が!30分以上経っても現れません。これは心配です。本屋の方に頼んで館内放送をかけてみますが見つかりません…
結局、集合についての情報が伝わっていなかったらしく、1人で先に帰っていたことが判明。彼とは宿で再会できました!
たくさん歩いて疲れきってしまい、宿に帰って夕食を済ませた後、すぐに寝てしまいました。長い1日でした。
研修 4日目(2019/02/07)
文科三類の甲斐豊です。
研修4日目の7日は以下のような1日でした。
午前:パリ・ディドロ大学で発表・学生との交流 午後:ENSで発表、オルセー美術館見学 |
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パリ・ディドロ大学では日本語を学んでいる現地の学生の発表と、こちらの2つ目のグループの発表があり、その後は自由な交流の時間が設けられました。Science Po では英語での交流が中心だったのでフランスに来て初めて同世代とフランス語で会話ができ、非常に楽しい時間となりました。個人的には「横浜の人間は自分たちを特別だと思っているから『神奈川出身です』って言わないんだ」という内容をフランス語で言い、それが現地の学生にもウケたのが思い出深いです。
午後は二度目となる ENS を訪れ、現地の大学院生の前で3つ目のグループの発表を行いました。ここでは現地学生が日本語を学んでいるわけではなかったこと、そしてこちらの発表を現地学生の専門に合わせていたことから質疑応答では鋭すぎる質問が飛び出し、発表しているグループは大変そうでした。
この発表が終わった後は徒歩でオルセー美術館を目指しました。ここで公共交通機関を使わなかったことにより、結果的に夜 FIAP に帰る際にとてつもない疲労が襲って来たのですが、この道中にも様々な体験ができたので幾つか紹介しようと思います。
まず下の写真ですが、この標識は1910年1月の大洪水での最大の水位を示したものだそうです。写真だと少しわかりにくいですが、膝の高さ以上はあったように記憶しています。古くから洪水に悩まされたパリの歴史を感じることができました。
オルセー美術館まではセーヌ川沿いを散歩しました。対岸にはルーヴル美術館も見えていました。この日は珍しく綺麗に晴れていたため空が綺麗ないい写真がたくさん撮れました。
さて、オルセー美術館です。まずは入り口のところにある6体の銅像の前で男子5人+アルベリック でポーズを決めて写真撮影。この銅像一体一体はそれぞれ大陸を表しているのだそうです。左からヨーロッパ・アジア・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オーストラリア。
肝心の美術館の展示ですが、受験の際も世界史の美術史はかじる程度しか勉強しなかった僕でも見たことがあるくらい有名な絵が揃っていて、非常に面白かったです。幾つか紹介していこうと思います。
左からミレーの「落穂拾い」、マネの「笛を吹く少年」、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
また、オルセーは建物も魅力的。地上階と1階(日本で言う2階)の吹き抜けスペースは広々としていて美術館というより博物館の雰囲気が出ていて歩いているだけでも楽しめました。元々は駅舎として建てられたオルセーは外観も綺麗です。
オルセーといえば大時計から見える夜景も有名なのですが、こちらは写真では綺麗さがうまく伝わらないので載せません。機会があれば是非足を運んで自分の目で確かめて見てください。
以上、研修4日目についてお伝えしました。
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ここまで、初日から4日目までの報告でした。次回第2回もどうぞお楽しみに!
【追記】第2回を公開しました。こちらをご覧ください。